まるで自分を見ているような
「男のことばかり考えてないで、ちゃんと前を向いて仕事しなさい」
お昼ご飯を食べに、ある店に立ち寄った。
テーブルについた瞬間、隣の席の、
まだ食べ終えてはいても席を完全に立っていないお客様の
テーブルを女の子が片付けはじめ
手元が狂って食べ残しをお客様に衣服に・・・
「あっ、ごめんなさい」
言うが早いか、汚してしまったお客様の衣服の始末もせず、レジに走っていた。
汚してしまった衣服をきれいにしてあげるより
集金が先になってしまっていた。
わたしのあとに入ってきた親子連れが、丁度隣の席に腰掛けた。
わたしの注文を受けた彼女は奥に引っ込むと
厨房と二言三言言葉を交わした。
「豚汁はどうなった?」
「ああ・・ あれ、注文ミスです。払いますからツケといてください」
お客の服を汚した後、入ってきたのはわたしだけだったから、
豚汁の間違いはわたしの注文のことだったと思うが、
わたしは一言も豚汁という言葉を発していない。
先の、お客様の服を汚した直後のこと。
その間、わずか数分
そして、わたしが食べ始めた直後、
隣の親子連れに配膳、
荒々しく盆を置いたため、汁が飛び散り、母親のスカートを汚してしまった。
女の子は、急いでこぼし減ってしまった盆を持って引き換えし、汁の量を、ポットのお湯で水増しし
再び配膳しようとしていた。
母親の服が汚れてしまったことに気づいた男の子、
「いまの、汚されたんじゃない?大丈夫?」 母親に聞く
「大丈夫、たいしたことなかったから」と 母親
男の子は店員の、あまりに素っ気ない対応に腹が立ったのか
多少声を荒げていた。
これには店員の女の子も、さすがにバツが悪かったのか
再び盆を持ってテーブルに来ると
「すみません。大丈夫でしたか?」と、一応言葉では謝ったが・・・
でも、盆の置き方は失敗した時と同様、まるで放り投げるような置き方だった。
汁は再び盆の中にこぼれた。
わたしは食べ終え、まじまじと彼女を見た。
その顔は怒りもせず
さりとて落胆もせず
血の気は失せ
まるで遥か彼方に意識と視線が飛んでしまっているかのようだった。
男に足蹴にされた時の女の
あの独特の顔つきと行動
言いようのない気持ちが、そこに現れていたような気がした。
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