シチリアの熱い風 第6話“予期せぬ訪問者” Shyrock作
「早乙女イヴサンデスネ?オキャク様ガコラレテマス。電話変ワリマス」 (お客様?一体誰だろう?イタリアに知り合いなんかいるはずがない。ジョルジョ??おかしいなあ・・・彼なら部屋に直接来るはずだし・・・) 私は訝しげに思いながら受話器を取ったそのとき、耳を疑う声が飛び込んできた。 「イヴっ!?」 「う、うそ!・・・俊介!?」 まさか・・・ 車野俊介なら日本にいるはずだ。 イタリアに来たなんて信じられない。 彼とは別れたはずだし。 「イヴ、急に海外旅行に行ってしまってずっと帰って来ないから心配してたんだよ~。君の居所を調べるのに苦労をしたよ。でも実家に教えてもらってやっと分かったんだ」 「俊介さん、会社はだいじょうぶなの?あれだけ忙しいと言っていたのに・・・」 「だいじょうぶ!ってか、あんまり大丈夫じゃないんだけどさ。ははは~。実は、年休をまとめて取ってきたんだ~。部長は長期休暇を認めないって言ってハンコを押してくれなかったんだけど、いいんだ、そんなこと。だってオレ、イヴに会いたかったんだから。ははは~」 (バカ・・・俊介のバカ・・・) 私は溢れ出した涙が止まらなかった。
テーマ : 官能小説・エロノベル
ジャンル : アダルト