長編官能小説 『クロス・ラヴ』 第46話 (最終話) Shyrock作
だからと言って4人の間に新たな恋が芽生えた訳ではない。
だけど今までの友達感覚とは少し違う気がする。
強いていうならば『友達以上・恋人未満』とでもいうのだろうか。
それでもありさと球にそして俊介と浩一に不安はなかった。
彼らには今まで培って来た厚い信頼感があった。
もちろん将来にわたっても絶対壊れないとは断言できないだろうが、少なくとも現時点でその信頼関係は揺るぎないものであった。
とりわけ今回の小旅行後、ありさと俊介、そして球と浩一それぞれの愛情が一層深まったといってよかった。
昔からぜんざいを煮る時に少々の塩を加えることが美味さの秘訣といわれている。甘いものに塩を入れる。一見無茶なように思われるが決してそうではない。微量の塩を加えることによって、その塩が一種のスパイスのような役目を果たし、一層うまみを引き立てることができるのだ。
つまり今回のクロスラヴは、ありさにとって浩一が、浩一にとってありさが、球にとって俊介が、俊介にとって球が、それぞれが『塩』的役割を果たしたわけである。
もし彼らの行動が世間に知れたら、不道徳な行為だと白い目で見られることもあるだろうが、4人は臆することはなく自分たちを信じていた。
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長編官能小説 『クロス・ラヴ』 第45話 Shyrock作
球「何言ってるの~。オネムでもラムネでもいいけど、とにかく早く起きて!」
ありさ「あ~、球の作ったプレーンオムレツが食べたいなあ~」
球「うに?ありさはこそばゆい所をうまくくすぐってくるわね。よ~し、じゃあ、腕に選りを掛けてプレーンオムレツを作ろうかな?・・・ん?」
ありさはすでにくっついていはいなかったものの、まだ浩一と1枚の毛布に包まっている。
球の一度は晴れやかになった表情がまたもや曇った。
球「ありさ!いつまで浩一とくっついてるのよ~!早く離れて離れて!浩一も何よ。いつまでもありさとイチャついてるのよ!」
浩一「え~?もうイチャイチャなんかしてないんだけど~」
球「とにかく離れなさい~」
朝からすったもんだの4人だったが、ブランチも終わりクルマに乗り込んだ頃はいつもの仲の良い4人に戻っていた。
浩一「行先は鶴岡八幡宮で良かったね」
球「あ~あ、この素敵な別荘ともおさらばかぁ。ちょっと残念だなあ・・・」
浩一「また連れてきてあげるからさ」
球「うん、そうだね」
ありさ「わたしはあ?」
ありさが頻りに自身を指差してアピールしている。
球「え?ありさ?そうね、その時はまた連れて来てあげるよ」
ありさ「やったあ~!」
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長編官能小説 『クロス・ラヴ』 第44話 Shyrock作
カーテンの隙間から入り込む陽射しで、球は目を覚ました。
弱い冬の陽射しとはいっても眠る者を起こすには十分といえる。
陽射しの届かない場所にいるありさたちはまだ眠っている。
球はソファでバスタオルを胸に巻きつけたままペットボトルを傾けた。
(ゴクゴクゴク・・・)
セックスを満喫した翌朝は格別に水が美味い。
いっぱい汗をかくから身体が水分を要求するのだろう。
球は500ミリリットルの約半分を一気に飲んだ。
球「うに~、うめぇ~・・・」
球はまだ眠っている俊介の身体に毛布を掛けてやった。
おそらく寝返りを打った時に床に落ちてしまったのだろう。
球はペットボトルを持ったまま、ありさたちのいる方へ近づいた。
ふたりは窮屈そうにソファで寄り合って眠っている。
朝方かなり冷え込んだこともあって毛布はきっちりと掛けている。
球「はぁん?いつまでそうしているのよ~」
球はふたりが掛けている毛布を一瞬引き剥がしたい衝動に駆られた。
だけど思いとどまった。
それは絶対にしてはならないことだと思った。
ここで嫉妬に燃え狂ったら元も子もないではないか。
今回のことは4人で企画し実行したのだから。
そのうちの1人が個人の感情に任せてぶっ壊してしまってどうする。
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長編官能小説 『クロス・ラヴ』 第43話 Shyrock作
球「やっぱり」
俊介「ムカツクし第2ラウンドに突入するか?」
球「にゃ?それいいかも」
球と俊介はまだ興奮冷めやらないうちに早くも抱擁を始めた。
官能の波間をさまようありさと浩一は、そんな球たちの新たな行動に注意を払う余裕などまったくなかった。
◇
ありさ「にゃんにゃんにゃん~!にゃはあ~~~~~、ありさもうダメッ!イキそう、ありさイキそう~!!」
浩一「はぁはぁはぁ!オ、オレももう限界!おおっ、おおおっ!」
ありさ「にゅう~にゃう~にゃう~~~~~~~~~~~!!」
浩一「がおぉ~~~~~~~!!」
浩一のバックスクリューもさすがに果てる瞬間ともなると激しいピストンへと変わっていた。
男は冷静な時は己のテクニックを駆使して女を攻めようとするものだが、あまりにも自身の感情が昂ぶると野性へと帰趨してしまう。
男の性交時の基本はやはりピストンであり、かわいい女の奥深くに沈めたいというのは男の本能なのである。
浩一のイチブツはありさの奥深くで最大に怒張しそして爆発してしまった。
コンドームと言う名の防具を着けていなければ、おそらくありさの奥深くにおびただしい精液が流入していただろう。
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長編官能小説 『クロス・ラヴ』 第42話 Shyrock作
浩一はそういうやいなや、挿入中の肉棒をグルグルと回し始めた。
ありさ「にゃんにゃんにゃん~!それすごっ!何なのお~?それって!?」
浩一「ふっふっふ、オレの秘密兵器で『バックスクリュー』って言うんだ。どうだ?気持ちいいか?」
ありさ「うん、すごく気持ちいいよお~」
浩一「はぁはぁはぁ、実はね、この技はネットで覚えたんだ」
ありさ「ネットで?」
浩一「そうなんだ。シャムロックという超エロい人がいてね、その人のホームページに載ってたんだ」
ありさ「ありさもそのエロい人のページ見たいよ~!」
浩一「え~と、”http://homepage1.nifty.com/shy/index.html”なんだけど。憶えた?」
浩一はありさとのセックスの真っ最中だというのに、驚いたことにURLをすらすらと暗唱し始めたのであった。
ありさ「にゃあ~ん、今、そんなの憶えられないよ~」
浩一「あははは、それもそうだね。とにかくこの『バックスクリュー』でありさをメロメロにしてやるから!」
ありさ「してして~!」
ありさたちの会話を聞いていた球と俊介は唖然として顔を見合わせた。
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