崩落しそうな家屋は倒壊でもしたら危険だから撤去してしまえと近隣のおばさんたちが声を上げ始めました。 千里さんの
熟れた躰に日ごと夜ごと旦那が
夫婦生活をほっぽって通いつめるさまを女房連中は腹立たしく思っていて、それならいっそのことこの地区から追い出せばよいと棲み家の撤去を言い出し始めたんです。
確かに千里さんのやり方は別方面から見れば世界的な観光都市の片隅に根付く
売春宿、それそっくりだったからでした。 旦那連中も千里さんはあの藤乃湯旅館の離れに司という男と棲み暮らし、しかも夜毎客に向かってまるで
他人棒を求めるが如く
夜伽に出かけていたことを知っていました。
なので自分たちは千里さんを司と引き剥がすべく寝取るつもりで出かけているのに女房連中ときたら
寝取られにわざわざ出かけて行くんだと息巻いての集団結託だったんです。
これに呼応して行政が重い腰を上げ強制撤去に乗り出しました。 千里さんが無断で住んでいた家屋も、あれほど熱心に千里さんの
躰目当てに通い詰めてたおじさんたちが一言も反対してくれないものだから千里さんが仕事から帰ってみると既に更地にされていたんです。
行政側が千里さんを地区から追い出す為棲み家を撤去するのはこれで二度目となります。 前回の藤乃湯旅館とその離れの撤去に際しては己らも別の泊り客と顔を合わせないシステムに助けられ、幾度か千里さんの淫裂にお世話になっていますので運営側が逮捕となった今となっては解体は勿怪の幸いだったんです。
こういった大人の関係というものはいわば性行為癖、性癖です。 もっと突き詰めれば生きとし生けるものどこかしら性を求め合うのが健康を保つ根本で特に男性がそうであるからといって女性が全くそうでないとは限らないんです。 性行為が始まれば女性だってその快楽に多少なりとも溺れます。
藤乃湯旅館での千里さんが女将から差し向けられただけでは済まないほど快楽の溺れやすい性癖を持っていただけにその彼女が自分たちから見れば愚鈍そのもののような男と行為に及んでいることがそもそも股間にドンと刺激を与えてくれていたんです。
千里さんの
淫裂の味を幾度も
他人棒という凶器を使って苛ませ享楽の極致を味わわせてきているのでいつか近いうちに俺だってと危惧してた矢先の申し出だったんです。
自然の成り行きとは恐ろしいもので、千里さん本人はこれまで苦労はしてきたけれども今は至って健全に働きこれまでもそしてこれからもこの調子を維持・継続しつつ生きてゆこうとしてました。
ところがその間にも千里さん躰は凡そオトコである以上見逃せないほど見た目にも実際にも熟れて老いたオトコであっても惑わすようになっていて、しかもそうとわかってひとたび手を差し伸べたりすれば、まるで粘り付くように纏わりついて離れようとしなくなっていたんです。
もう使い物にならないと諦めきっていた逸物が殊の外役に立ってしまったのです。 こうなると人間は変わります。 彼女を他の男に手渡したくないものだから必死になって尻を追います。 しかし悲しいことに自己を満足させるべく彼女と共に朝を迎えることが出来ると危険と分かっていながら自慢してしまうんです。
人間社会には階級があります。 一度は自分たちの身勝手さで棲み家を追い出し放浪の身にさせた筈なのに、いざ自分たちが見下していた連中が彼女を捉え開発し始めるとそれが気になって仕事も手につかなくなっていったんです。 憎悪と性欲がないまぜになり吐き気までもよおすほどでした。 余程深夜忍んで行って千里さんが
欲情しきってる姿を拝もうとしたか知れません。 その都度かつて藤乃湯旅館で穴兄弟になっていた先輩にたしなめられたんです。
「たかだか淫売のために出世を棒に振る気か」 とです。
そんな折に廃屋解体依頼が舞い込んできたのです。 千里さんと彼女の取り巻き連の男どもを廃屋から追い出すのには最善の方法と映ったのです。
この折の彼の脳裏に宿ったもの、それこそが棲み家を奪っておいて、彼らと縁を切らせたのちにこっそり何処からか手を回し囲い込めばまたあの何とも言い難い淫裂を味わえるとでも思ったんでしょう。
解体業者だってこの不景気に滅多に手に入らない公共事業が舞い込んだのです。 善は急げでした。 身寄りのないお年寄りが亡くなり空き家になってはいたが全国自治体が手をこまねいている本当に壊して良い物件なのかについては千里さんの素性がわからない以上イエローだったんです。
監督官庁である行政職員が現場に駆け付けた時には現住建造物が完全に引き倒された後でした。
たとえ一度でも良いから恥を忍んで千里さんのお世話になり
夜伽をしてもらっていればそこが
売春宿としてのみ使われていたのではなく路上生活一歩手前の女性が生きていくため棲み家として使っていたと分かった筈でした。
なまじ出世を意識したばかりに法を犯してしまうことになろうとは夢にも思わなかったのです。
棲み家を追われることになった千里さん、さぞかしへこんでいるかと思いきや以外に平気な顔をし現場をちらりと見ただけで何処かに向かって立ち去ってしまったんです。
引き倒された廃屋の下に埋もれているのはおじさんたちがくれたいわば廃品。 彼らの贅沢を満足させてやるために金品はほとんど使い果たし撤去されたからといって泣き叫ぶような品々はまるで置いていなかったんです。
お百姓を任せてくれた大塚家の思いやりに比べれば、いつかは手を切らなきゃならない胡散臭い連中ばかりだったんです。
監督官庁こそ怯えました。 市民意識にしても法的にも千里さんを市民と認めるわけにはいかないのに、本人や彼女の代理人からの申し出があれば公的住居を与えなければならない事案が発生したからでした。
しかも藤乃湯旅館や廃屋にほど近い場所といえば入居希望者が殺到し戸数がてんで足りないんです。
それであっても何とかして今住んでる住民の一家族を何処かに追い出し、そこに当面無料で、しかも風呂釜や流し台などを財政の中から工面し備え付けて置いて 『土下座してお入り頂く』 必要に駆られてたんですが・・・
千里さんはまるっきりそのようなことは考えていませんでした。 生活基盤の大半が農作業に当てられているため古の人たちのように作業小屋に寝泊まりしても苦にならないほどに精神も肉体も逞しく成長していたからです。
ですので時々大塚家から借り受けている防寒服に身を包んで掘割近くで司を待って夜を明かしても良いとまで考えていたんです。
- 関連記事
-
テーマ : 官能小説・エロノベル
ジャンル : アダルト
tag : 熟れた躰夫婦生活売春宿夜伽他人棒寝取られ躰目当て淫裂の味他人棒という凶器欲情