藪の中で織りなされる人間模様 知佳作
「どうだい? 今でもまだあの先生が忘れられないか」
「ふふふ、あのセンコーにこの格好を見せてやりたいもんだ」
わざわざ脇道に反れ藪の中に分け入って乱交まがいのことをやる気など当初はなかった真紀さんでしたが、娘の担任教師とたった一度間違いを起こしただけで何処かに眠っていたであろうおぞましい血が暴れ出したのです。
「須恵乃のやつもあきれ顔で見てやがる、こいつは大したタマだぜ」
「へへへ、まったくだ。 儂なんか散々抜かれてもう空気も出やしない」
気持ちを上手く伝えられなかったことで荒れ、願っても願っても逢えなかったことで荒れ、居てもたってもいられなくなって恥を忍んで学校まで出かけ、それでも逢えなかったことで決定的に荒れ狂い、丁度その時言いよってくれた漢どもと妙な関係を結んでしまったのです。
「儂が下薬研 (しもやげん) に忍び込んだ折、夜も明けやらぬのにノコノコ何処かへ出ていきやがった」
「ということは、その頃にはもうこうなってたってことか」
「うむ、どうやらそうらしい」
須恵乃さんを押さえ込んでた連中まで加わってようやく天国まで送り届けることが出来たと見え真紀さん、藪の中でおとなしくなったのです。
先遣隊として下薬研 (しもやげん) に忍び込んだ漢は別としてこういったことは日常茶飯事の比葡の里の連中であっても滅多なことで情事が行われたこの地から先へは忍び込もうとしませんでした。 それなのにたった一回成功したからと言ってその味が忘れられず出かけて行ったものがいたんです。
「お前も人のことは言えんぞ。 あの村に夜這いしにでかけるとはなあ~」
「まったくだ、運良く帰れたからよかったものの鉞の金兵衛にでも出会ってたら… おおくわばらくわばら」
上薬研 (かんやげん) の金兵衛さんは恐らく毎日のごとくマムシを呑んでるんじゃなかろうかと噂が立ってたんです。
下薬研 (しもやげん) の地はともかくとして、そこから比葡の里に向かう一帯はどちらかといえば高原地帯で湿地帯を好むマムシはいません。 似てはいてもヤマカガシだけなんです。
「…ということはだ、あの須恵乃とかいう女はまさか入谷村へ?」
「おうよ、ヌシの金玉欲しさに金兵衛の懐に忍び込んでマムシを捕って来たのさ」
自分家が見張り小屋なのをよいことに街道ではなく裏山を抜け上薬研 (かんやげん) を目指したようなのです。
そうまでして自分の存在を忘れさせないようにしました。
学校の先生がまさにそうであるように比葡の里の連中もどちらかといえば入谷村に比べ淡白で、この日も金玉の中身がすっからかんになると各々勝手に四散していったのです。
「ふん、溜まってたものをすべて吐き出しゃもう用が無いってわけかえ」
須恵乃さん、ペッと唾を吐くと
「ほらほら、いつまで寝てんだい。 さっさと起きな」
真紀さんをつま先で小突くと自分から先に立って山の斜面を登り始めました。
「ああっ はい。 すぐ行きます」
真紀さんも置いていかれないよう急いで身支度を整え後を追いました。
「やれ困ったねえ、ところで… あんたんとこはどうだい?」
「えっ ウチですか? ウチの宿六は……」
言いかけてもじもじしてると
「何言ってんだい、そっちの話しじゃねえよ。 買い物さね」
買い物と言いつのって毎度毎度比葡の里に漢狩りに出かけていたものの、実際のところ買い物もそこそこに里から引き揚げ藪の中に分け入り逢瀬を重ねていただけだったんです。
須恵乃さんの言うのは亭主や子供に食べさせる滋養のつく食べ物のことでした。
「ああ… それは……」
真紀さん宅だってとっくに切れててこの頃は畑にもそれほど力を入れてなく大根などは痩せ細りまるで木の根っこのようになってたんです。
「困ったなあ~ 仕方がない、アレをやるしかないか」
「あれってなんですか? まさか子供たちにマムシを!?」
素っ頓狂な声を上げた真紀さんに
「馬鹿だねえ~この子は。 マムシなんか亭主にだってやるもんかね。 盗むんだよ。 入谷のお宝を」
須恵乃さんの言う入谷のお宝とは本谷 (ほんだん) には生まれつき躰の弱い子がいてふんだんに滋養の付くものを与えてる。 それを盗み出そうというわけでした。
「…だって須恵乃さん、まさか巌さん宅に忍び込もうって……」
怯える真紀さんに
「何言ってんだい子の子は、家になんか忍び込めるもんかえ、倉庫にだよ」
入谷街道に面したところに本谷 (ほんだん) の倉庫があって、普段は炭を置いてあるのだが、時によってそこにこの頃では特に手に入らないバターが置いてあるのです。
ほんのひとつそれを夜陰に紛れて掠め取りに行くというんです。
「お前だってここから先漢なしでは神経が持たないんだろ?」
「それはそうですけど… でも、いつやるんですか?」
聞くまでもありませんでした。 漢たちから解放されたのはかれこれ陽が西に傾きかけたころだったのです。
「愚図愚図言わないでついてきな」
比葡の里からの帰り道、途中から上馬見川から別れ峠を越えて下薬研 (しもやげん) に至るものをそのまま下流に下り鉞の金兵衛宅の脇をすり抜け入谷村に入っていったんです。
その倉庫は豊里屋の下手にありました。 簡易な鍵は掛かっているものの倉庫の建て付けが悪くほんのちょっと引き戸を持ち上げると戸ごと外れてしまうのです。
「あったわ!! ホントだったのね」
真紀さんが感嘆の声を上げるのを制し
「さっさと行くよ、まったくのろまなんだから」
須恵乃さん、手ぬぐいにバターを巻いて引き上げにかかってました。
倉庫の斜め向かいに上馬見川が流れておりそれに沿って遡り滝付近から背後の山を越えれば下薬研 (しもやげん) に至るんです。
「あんたまさか懐にバターを入れてはすまいね」
川に差し掛かると須恵乃さん、真紀さんに声を掛けました。
「うん、落とさないようにちゃんと持ってるよ」
「馬鹿だね~この子は。 バターを懐になんか入れてたら熱で溶けちゃうよ。 こうやって手ぬぐいに包むんだよ」
そう言われたもののその肝心の手ぬぐいはシモの処理に使ってしまい臭いったらありゃしないんです。
「ほらっ もう誰も見てやしないから川の水で洗うんだよ。 貸しな」
そう言うと須恵乃さん、真紀さんの手ぬぐいを上馬見川の冷水できれいに洗い硬く絞って手渡してくれました。
真紀さん、改めてバターをその手ぬぐいに包みなおしました。
「須恵乃さんにああ言われなかったら家に着くころには胸の熱で溶けてました」
「そうだろうさね、お前の乳の熱を喜ぶのは漢らのチ〇ポぐらいだろうからさ」
須恵乃さんのアイデアで危うく難を逃れた真紀さん、相変わらず比葡の里の連中を誘っては淫交にふけりました。
自宅にこれまで食したことのない珍しいものを持ち帰ったことで喜ばれ、それならと好きな時に出かけてもよい旨許可を得られたんです。
真紀さん、こうなると薬草を担がなければならなかったもんぺ姿ではなく、比葡の里で購入した新たな服装で藪の中を闊歩するようになったのです。
今日とて真紀さんの姿に気づいた漢が後を追っかけてくれて、比葡の里に比較的近い場所で捕らえられ背後から乳を揉まれアレを始めました。
「ここではダメ! 止めてください」
「へへへ、わかってるよ。 先生に見つかるっていうんだろう? あんたまだ先生のこと忘れられないのかえ?」
確かに真紀さんは自分の娘が教わってる先生と過ちを犯しました。 ただ今はあれは本気だったのか確かめたかったのです。
「なあ真紀さんとやら、どんなに待ったって先生はあんたなんか振り向いちゃくれないよ。 諦めな」
自分の身分と出世が大事のような言われ方に茫然自失の真紀さんを漢は執拗に責めました。
「ああ… やめて! 汚らわしい」
「ふふふ、ああそうかい。 口は便利だねえ、そうは言うもののここはちゃんと濡れ始めてるぜ」
具合がよくなったところで漢の指はパンティを脇にどかし指をめり込ませてきたんです。
「先生のこと悪く言う人なんかに… あああ……」
「その先生様の金玉に濁流が溜まるまで儂が代わって面倒見てやろうというんだ。 そうだろ? ありがたく思え」
人目もはばからず目の色変えて追っかけてくるほどですから漢は余程溜まってたと見え、如何にもクンニは遠慮がちながら股間はすでに盛り上がりをみせ、その先端を真紀さんの尻の割れ目に挿し込んでくるんです。
親切といえばクンニの途中でやぶ蚊に咬まれた真紀さんの太股辺りをスカートをめくりあげてさすったり掻いてくれたりするんです。
「あれあれ、随分食われたなあ~ あんた下薬研 (しもやげん) みたいなとこに住んでいながら案外蚊に弱いんだ」
冗談とも本気とも取れる言葉を吐きかけながらその指は脇からの差し込みを止め次第次第にせり上がりとうとうゴムの部分をかいくぐり繁みへと降りて行ったんです。
「あんっ 止めて! そこは……」
「なんだよ今更、儂の気持ちわかってるんじゃなかったのかよ」
真紀さんの左腕を自分の肩口に回させ担ぎ上げるようにしながら覗 き込み、先生のためにとってあったオ〇ンコに手を伸ばし始めたんです。
乳首を吸われ指マンされながらの口説き文句ですので真紀さん、先生とこうなれなかったばかりに耐えきれなくなって尻を使い漢のチ〇ポの先を探し始めました。
やぶ蚊に刺されながら懸命に対応しました。
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