不倫妻、美紀を探すことにかこつけた婚前旅行
若さに似合わない成熟し切った身体に整った顔立ちが男どもをして欲情させるんだろう。街ゆけば、かき分けて進まねばならないほど言い寄られさりげなく身体をタッチされ壁ドンされた。
それだけ男どもに注目され、ちやほやされていた。
ところが、ある年齢を境にめっきり声がかかる回数が減っていった。 初老の男性ばかり誘いをかけてくれるようになった。
そんな爺様連中から声がかかっても、なぜか粗野に扱われた。男どもは和子を相手に当初の目的を果たせば、その瞬間とってつけたような用事を口にし、まるで汚いものに触れたような目つきを残し離れて行った。
自分の、相手に対する態度が下目線だったと和子なりに思い、それからは多少反省もし、身体を求めてくる相手に気安くOKを出してもみた。
それでも、肝心なところでは相変わらず持って生まれた高飛車な性格が治らなかった。殊に自分が十分逝けていないのに男が先に出して離れようとした場合など露骨に態度を男根を詰った。
それが同僚で、一番親しくしていた美香を葛城正一とともに見下す原因となってしまっていた。
美紀を必死でストーカーを繰り返す正一にあてがい、不倫させたら あの貞淑な人妻が、葛城正一の溜まりきって充血した亀頭を挿し込まれ大量に射出されたら、どんなふうに変わるだろう。そう思っただけで心の中がキラキラした。
和子はその時期、丁度排卵期に当たっていることをとんと忘れていた。
美紀に男をあてがい楽しませたかったわけじゃなく、自分こそが内から湧き上がる欲情を抑えきれずにいた。
生来の捻じ曲がった性格が、それを素直に表現できずにいた。本当はかつて身体を許したことのある葛城正一を美紀から取戻し抱かれたかったのである。
うだつの上がらないと散々バカにしていた葛城正一に懇願するほど情けない女になりきっていたことを、彼により絶叫し逝ったことで初めて認めた。素直になれた。
美紀はあれ以来会社に姿を現さない。
「わたしが・・・お願い。一緒に探してくれない?」
和子は葛城正一が今でも美紀に焦がれていることを知りながら、それでも手を貸してくれるならと頼み込んだ。恥じていては葛城正一まで逃してしまうと危惧したし、なにより正一の心を試したかった。
過去に一度も和子に頭を下げられたことなどない葛城正一は、すっかり頼り切ってくれている女の姿を前にして気持ちが変わっていくのがわかった。
「こいつなら頼みを聞いてやれば、美紀を上手く探し当てた後 プロポーズも受けてくれるかもしれない」
仕事に穴をあけるわけにはいかないとクギを刺しつつも、休みを利用してなら協力してやろうと告げた。
親友みたいな存在だった和子なら、美紀の行きそうな場所ぐらいおおよそ掴んでいるだろうと安易に考えていた。
ところが休み当日になって、落ち合って開口一番、和子は正一に向かってこう言った。
「どちらに向かえばいい?」 葛城正一は口をアングリと開けたい気持ちだった。
あれほど美紀を追いかけ身体を重ねることにご執心だった男なら、美紀の普段の行動なんか目をつむっていてもわかるだろうと踏んだ和子の考えは甘かった。
正一はただ、美紀の自宅の敷地内に忍び込んで 例えば風呂場の窓枠の隙間から入浴中の美紀の裸体を拝んだり、干してある下着を盗んで嗅いだりしていただけだったのである。
尾行にしても、歩いている後ろをつけただけで乗り物に乗られてしまえばそれで終わりだった。
散々考え込んだ挙句 ・・・和子の手前一瞬の間だが・・・ 自宅敷地内の小さな庭に、それこそ小さな家庭菜園を作っていたのを思い出した。
「へぇ~ あいつにこんな趣味があったんだ」ぐらいにしか思わなかった。
それをプロポーズしたい和子の前で「美紀は田舎に向かっているはずだ」と言い切った。
根拠の出どころを聞かれたら、それこそプロポーズなど夢のまた夢となる。
「なんで田舎なの?」
「あいつの性格さ、姿を消した。実家には帰れないし、ご主人も不倫に夢中なら娘さんも男を取っかえひっかえだろう? なら心を癒せる場所は田舎しかない」
「正一さん、貴方って本当は凄い人なんだね」
うっとりした目で和子に見られ、余計に葛城正一はオロオロした。
根も葉もない予感が、もしも外れたどうしようと 逃れる算段が脳裏をよぎったが、和子の手前一番それらしい場所を、とにかく和子に告げた。
逆に考えれば婚前旅行を和子と楽しめる。
歩き疲れて宿に入ると、あとは根性を据えて和子を組み伏せ、来るプロポーズに備えて仕込めば済むことだと予定を立てた。
心が幾分楽になった。
日本人というのは実に不思議な民族である。
収入につながるからと、こぞって都会を目指す。
一歩都会から離れると、そこは手つかずの大自然が残る田舎であり、人々は都会とはまるで違う生活を営んでいる。
だから葛城正一は、都会に近いながらも人が入らない田舎・過疎地で、しかも幾度も乗り継ぎが必要な場所を目指すことにした。
美紀は自分のお小遣い程度のお金だけ持って家出したであろうと踏んだからだ。
とにかく山間部に向かうべく、駅の切符売り場に行った。
券売機の前で、まず葛城正一は驚かされた。
切符を買おうと財布を取り出しかけた正一に「いくらなの?」と和子が聞いてきた。割り勘にしようとでも云い出すのかと思ったが逆だった。
市内を巡り歩く程度の、いわゆる昼食代程度しか彼女は持ち合わせてきていなかった。思考が生粋の世間知らずのお嬢様で出来ていた。
身なりも派手な服装なら、靴はハイヒール。小さなポシェットの中には化粧道具に小銭入れとスマホしか入っていない。
とても探偵をしようという気構えではなかったのである。
結局のところ捜索には葛城正一が担いできたリュックに中身と知恵が頼りとなった。
美紀の写真や服装程度の知識、それに簡易な食品と乗り物代に旅館代は全て彼の用意したもので賄われた。
市内を外れる前に、正一は和子のためにユニクロに立ち寄り上着と下着を買い、靴屋さんでスニーカーを買ってから再び駅に引き返し切符を購入した。
乗り物に乗ると聞き込みの方法を和子と打ち合わせた。
この時になって葛城正一が何日もかけて隠し撮りした美紀の写真が取り出された。特徴のメモ書きも披露され、足取りを聞き取る方法まで伝授された。
和子は写真をいぶかしむことはしなかった。
ことの前後を考え、用意立ててくれた葛城正一に心底敬意の念を抱いていた。
葛城正一がプロポーズするまでもなく、和子は彼の後姿を追うことに夢中になっていたのである。
「彼ならきっと、わたしの犯したミスを払拭してくれる」
最初は和子の方こそ美紀を探すために葛城正一を誘い、正一は正一で和子と旅館の部屋で床を共にできる目論見だったものが、市内で既にその目的は完全に一致していた。
ポチッとお願い 知佳
恋愛・結婚ランキング
google51904d4c43421b58.html
- 関連記事
-
- 爺様に嬲られ、牝の本能が亀頭冠を弄る嫌らしい姿を不覚にも正一に見せつけてしまった
- 不倫妻、美紀を探すことにかこつけた婚前旅行
- 美紀との情事を妄想し、誘ってくれた和子のために奮い勃たせた
tag : 婚前旅行