淋しさを一時でも忘れるための求めあい 知佳作
山間に閉ざされ雪に閉ざされと、兎に角何事につけ耐えるしかない入谷の地にあって老いて家族からも見放され薄暗い部屋でじっと虹の橋を渡るのを待つというのは下るのを看ているしかない史帆さんにとっていかにもつらいものでした。
その史帆さんとて今はもう親は亡く、伴侶であったご主人も亡くし天涯孤独の身、年齢こそ違えど淋しいには違いなかったのです。
しかも史帆さん、ひとりっ子に生まれさぞかしちやほやされたと思いきや親は本家という名に負け世間体を重んずるばかりで子育てには関心を寄せなかったのです。
生まれて初めて地元の人に本気で打擲され妙な気持が湧いてきたのは確かでした。 親が本気になって叱ってくれたとか褒めて教えてくれたことなかったからです。
末は良い婿を取って家を守ってくれたらそれでいい、農家の仕事なんか覚えなくていいと言われてきたからです。 生まれてこの方山間の孤立した集落に住み暮らしいながら自分のことを門外漢って感じてたからです。
こういった心境の変化はたとえプロとはいえ街でしか暮らしたことのないケアマネや介護士では推し量れないところがありました。
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義理マンに屈した夫婦 知佳作
まさに外注を知らぬは亭主ばかりなりでした。 莞爾さんはともかく美澪さんにとって真の義理マンは年に一度で十分だといつの頃からか本気で考え始めていました。
そうは思えどいざ愛おしい人に出逢おうするとき最上の貢物をと考えると今のやり方では義理マン無しには得ることが出来ません。
それに何事も無い風を装おうと思うなら世間をも誤魔化さねばならず義理マンこそが最も隠し玉になるであろうことを美澪さんは自覚していたんです。
下薬研 (しもやげん) の本業である漢方が廃れ始め加納家も衰退の一途を辿り、とても夫婦がそっぽを向き合ってこの先暮らしていけるわけがないからでした。
年に一回と考えていたものが月に一回になり週に一回になり、終いにはそれが夫婦の日常のサイクルとなり暇さえあればどちらからともなく手を伸ばしまさぐり合いその果てにまぐわうようになってしまったのです。
貧乏人の子沢山と言いますが家業が左前になればなるほど人は寄り付かなくなります。 貧してのちは前田 (まえだ) の佳織さんとも縁遠くなり日々何が楽しみかと言えば夫婦でまぐわうぐらいしかなかったのです。
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長編官能小説 『クロス・ラヴ』 第26話 Shyrock作
ありさたちは長い参道を歩き拝殿へと向かっていった。
拝殿に近づいた時、ふとありさが球に尋ねた。
ありさ「にゃん、球?どうやって拝むのが正しいのお?」
球「にゃ?う~んと、確かお母さんが『二礼三拍一礼』とか言ってたわ。2回お辞儀をして3回手を叩く。で、最後にもう1回礼をして終わり・・・だと思うよ。ねえ、浩一?」
浩一「へ~?球は良く知ってるね。オレそんな詳しく知らなかったよ」
俊介「いや、今は柏手は2回が一般的になっているみたいだよ」
球「あ、そう言えば、出雲大社に行った時、面白い話を聞いたよ。あそこは縁結びの神様なんだけど、独特の拝み方があってね、『しじゅうご縁がありますように・・・』と賽銭(さいせん)は45円なんだって。二礼四拝手一礼の拝み方で、柏手は『しあわせを願って4つ叩く』のが普通だって聞いたよ」
ありさ「へ~♪じゃあ、私、4回叩こう~っと」
俊介「ん?ありさ、お前、縁を願うってまだ他にも縁が欲しいのか?」
ありさ「違うよお。俊介となが~くなが~く縁があるようにお願いをするんだよお~」
浩一「はっはっは~、俊介、心配なのか?」
俊介「いや、そんなことはないんだけどさぁ」
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炭焼き小屋での炊事 知佳作
確かに原釜 (はらがま) の台所とは比較のしようもないほどみすぼらしいんですが、それでも珠子さんなどは原釜 (はらがま) と同程度の料理を炭焼き小屋に近いような粗末な台所で作って出したものでした。 良い妻になるためには何時の時代も無い中でどれだけ工夫をしたかに尽きると思えるのです。
それにもうひとつ、義道さんは食材は田畑で育てているものの台所にまでしゃしゃり出てああだこうだと動き回ったりしない人でした。 その点寛治さんは表面上そう見えて結構マメな方だったんです。
ふたりとも炭焼き小屋で寝泊まりしながら煮炊きするわけではなく、あくまでも安達家の食事を逢瀬の時間を取りたいがため作るだけのことなのでそれで良かったんだと思います。
かくして肉魚は寛治さんが、それ以外の食材はあるものを持ち寄って作り昼はそれで間に合わせ、残ったものは珠子さんに持ち帰らせることで寛治さんは安達家を支えようとしたんです。
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本数をこなさなければならなくなった敏江さん 知佳作
これに対し繁栄の一役を担うことになった敏江さんは努力と根性、それに愛嬌で貢献しようとしました。
現代ではこういった場合姉さん運転手を雇い漢どもを惹き付けますよね? ところがこの時代のダンプは今のようにそこいらの綺麗な姉さんが乗っておらず、どちらかと言うと業界の下っ端が乗っていて非常に喧嘩っ早かったんです。
しかも彼らは競うようにして飛ばしますし道幅は狭いとくれば道を譲ったの譲らないの喧嘩です。
時に道路の真ん中でホンキでダンプをぶっつけ合って争いました。
道は舗装ではなく砂利道もまだまだ存在しタイヤの品質も劣悪なモノでしたからパンクも頻繁に起こったんです。
変わったと言えば積載量。
敏江さんが何故に箒で道路を掃かなければならないか。 それは制限を超えてるとわかった上でブルはてんこ盛りに載せるからです。
もうひとつあります。
それが制限速度で、現代は協定により車体に独特の番号が付され速度超過は傍目にも特定しやすくしてあり即反則切符を切られますが、当時は飛ばすだけ飛ばせが合言葉でした。
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