長編官能小説 『クロス・ラヴ』 第44話 Shyrock作
カーテンの隙間から入り込む陽射しで、球は目を覚ました。
弱い冬の陽射しとはいっても眠る者を起こすには十分といえる。
陽射しの届かない場所にいるありさたちはまだ眠っている。
球はソファでバスタオルを胸に巻きつけたままペットボトルを傾けた。
(ゴクゴクゴク・・・)
セックスを満喫した翌朝は格別に水が美味い。
いっぱい汗をかくから身体が水分を要求するのだろう。
球は500ミリリットルの約半分を一気に飲んだ。
球「うに~、うめぇ~・・・」
球はまだ眠っている俊介の身体に毛布を掛けてやった。
おそらく寝返りを打った時に床に落ちてしまったのだろう。
球はペットボトルを持ったまま、ありさたちのいる方へ近づいた。
ふたりは窮屈そうにソファで寄り合って眠っている。
朝方かなり冷え込んだこともあって毛布はきっちりと掛けている。
球「はぁん?いつまでそうしているのよ~」
球はふたりが掛けている毛布を一瞬引き剥がしたい衝動に駆られた。
だけど思いとどまった。
それは絶対にしてはならないことだと思った。
ここで嫉妬に燃え狂ったら元も子もないではないか。
今回のことは4人で企画し実行したのだから。
そのうちの1人が個人の感情に任せてぶっ壊してしまってどうする。
球「ふん、そんなに良かったの」
球は冷えたペットボトルの底を浩一の頬にくっ付けた。
浩一「ぎゃお~~~~~!!」
ありさ「にゃっ、にゃっ、にゃんなの~~~!?」
浩一の叫び声に驚いて目を覚ましたありさが慌てて跳び起きた。
だが一体何が起きたのか分からず目を白黒させている。
パンティだけは身に着けてはいたが素っ裸に近い姿だ。
浩一もトランクス1枚でまだ寝ぼけている。
ようやくペットボトルを持って自分を見つめている球が目に入り不機嫌な表情になった。
浩一「なんだ、球だったのか。びっくりするじゃないか。全くもう・・・」
球「なんだじゃないわよ~。今何時だと思っているのよ~。さあ早く起きて起きて。ありさも、さあ早く起きて」
ありさ「にゃあご~、むにゃむにゃ、ん?今何時?」
球「もう10時30分よ。早くしなきゃ鎌倉へ参拝にいけなくなるわ~」
ありさ「もうそんな時間かあ、ふわぁ~、でもまだ眠いよお~」
球「さあ、早く起きて起きて」
球は床に落ちていたブラジャーを拾ってありさに渡してやった。
騒がしさで目を覚ました俊介ものっそりと起きてきた。
その朝初めて4人が顔を揃えた時、気まずい空気が漂い一様に会話が弾まない。
そんな気まずい空気を打ち破ったのはありさであった。
ありさ「にゃう~ん、お腹が空いたなあ。ねえ、球?」
球「なに?」
ありさ「何か作って?」
球「どうして私1人に頼むのかなあ~、全く。ありさも早く着替えて手伝ってよ~」
ありさ「ありさはまだオネムなのお~」
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