ひそかに心を寄せる茶店の女店主
突然の雷雨になった。
先ほどまで茶店がチラチラとみえる民家の軒先で小雨を避けて雨宿りしていたが、この雷雨で茶店にいた人たちは三々五々どこかに散って行った。
チャンスとばかり琢磨は店に向かって駆け出し、店に飛び込んだ。
彼のびしょ濡れの姿を見かねた女店主は奥の部屋でしばし雨宿りをするようにと勧めてくれた。
この半年間、琢磨はあしげく茶店に出入りし、時間があれば茶店が見える先ほどまで雨宿りをしていた民家の軒先から茶店の様子をうかがっていた。
通されたのは店と襖一枚隔てた隣の和室だった。小さな床の間があり、きれいな花が活けてあってかすかに香が漂っていた。
間もなくして奥の障子があき、店主が2枚のタオルとお茶を運んできてくれた。
「お茶どうぞ」店主は琢磨にお茶を進め持ってきた一方のタオルを手渡してくれ、他のタオルで背中や肩の雨滴を丁寧にふき取ってくれていた。
部屋に入ったときに感じた香りの源が店主から立ち上っていたものだと、このときになってわかった。
琢磨は荒々しく手渡されたタオルで髪と顔についた雨滴を拭い取ったが、この段になっても店主の顔をまともに見ることができないでいた。
憂いを秘めた目鼻立ちは男心を否応なしにくすぐる。妖艶な女だ、おそらく年かさは琢磨と一回り近く違う35歳前後であろうか。
店が店だけにいつも和服姿で店先に立つ、35歳前後と感じたのは襟抜きからスラリとのびるくびすじに掛かる後れ毛、盆の窪が妖艶に見えたからで、成人式などで女の子が和服を身に着ける時の襟抜きとは大胆さが違って見え、それが大人の着付けだといつか誰かに教わっていたからだった。 続く
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