育児放棄 美里は父の愛を知らずに育った
親が子供を顧みる余裕もない家庭に育った美里は常に孤独だった。
その淋しさを埋めてくれたのがワル仲間で、ともに家庭に問題がある不登校児だった。
共通して言えるのは父親はただ単に種馬で育児のことはもちろん、社会面でも落ちこぼれで 何でもないことに急に激昂したりする以外妻にも子供にも、まるで夢遊病者のように自己主張なく接し、難題と感じると常に内に閉じこもって黙ってしまっていた。
美里が不登校と家出を繰り返すことを警察と児相が察知しボランティアの担当者があてがわれた。
その担当者自ら違法と知っていながら美里に手を出し囲った。
関係は延々続き、美里が元ヤンと隠れて付き合うたびにこれを見つけ出し脅しあげ別れさせ、その恩になった代償に肉欲を知らしめ膣に男の味を何度も何度も教え込んだ。
本当の愛情で結び合えるとはどういうことか、その感覚が男の執拗な床の要求に徐々に美里から失われていった。
だた、形だけでも同年代の若者と付き合わなければという焦りだけが、友達との会話などを通じかろうじて残った。
美里は一貫して補導員が難癖をつけながら覆いかぶさってくることを拒み続けた。
しかし最終的には生活費が捻出できず、断れば警察に通報され自宅に連れ戻されると妙なことを言って脅され仕方なく受け入れた。
受け入れては見たものの経験がなく上手くいかない、それを補導員はAVビデオを見せながらそれと同じことをすれば上手になれるからとだまし、ことさらに身体を開くよう要求し続けた。
拒むことがかなわぬと知って逆上し、補導員に馬乗りになって次の行為はどうすればいいかと迫って困らせた。
無事に治まるまで行為を続けないとか治まってしまったと早合点し止めてしまうと決まって身近の男と関係も持つため数日姿を消す。
次に現れるのは決まって相手の男が手におえないと苦情方々送り届けに来たときで、恥の上塗りとなってしまう。
補導員は地位を利用して何度か同じ年端の女を手にかけたが、これほどまでに妖艶に変容する女は珍しく、逆に補導員が妻を差し置いて溺れて行った。
男が女に溺れると隙が生まれる。それが先ほどの浮気であり結婚でもあった。
何処でどんなきっかけで知り合ったかはわからないが、多少足りないかなと思える男を見つけ、父親に宣言し補導員が強引な態度に出る前に父親の許可と言い張って入籍を約束し同棲し始めた。
賃貸のアパートや家財道具一式、そのお金の出どころが補導員ということもあって、そのことを恩に着せ同棲後も美里たちが住むアパートに補導員はあしげく通い、美里達カップルのベッドで何かと屁理屈をこね関係を続ける異常な生活が始まった。
囲われたときもそうだったが、結婚に至ってはなおのこと思いつきだけは立派なのに計画性は全くなく支離滅裂で双方とも貯蓄は全くと言っていいほどなかった。それら全て補導員が肩代わりした。
同棲中の男は美里以外女を知らない。
それを美里は補導員から教わった通り手取り足取り男に仕込んでようやく夫婦生活のような形が整った頃最初の妊娠を知る。それで男は婚姻届にしぶしぶサインをした。
美里が悩んだのは孕んだ子供がどちらの男の種だったのかわからなかったことだった。だから認知の件もあり強引に婚姻届を出させた。
安静にしなければならない時期に補導員から認知でやいのやいのと言われ美里は荒れた。
夜の生活は慎むように言われたにもかからわず補導員を相手に暇さえあればあらんかぎりの体位で寝た。
定期健診で胎児の心音が聞こえず、エコーで診ても動いていないように思えると言われ、尚のこと補導員を安全だからとだまし迎え入れた。
予定日近くなってこのままでは危険と忠告され手術で胎児は取り出された。妊娠2ヶ月頃心停止になったと思われる黒ずんだ小さな塊の死産だった。
旦那も、実の父親も この死産に別段表情を変えることもなく 気落ちする美里を前に処理だけが淡々と行われた。
手術の前に説明を受けた内容を旦那に告げようとしたが、旦那はゲームに夢中で話もろくに聞いてはくれなかったという。
旦那が在宅中に補導員を呼び寄せ、給料が足りなく食費にも事欠くと旦那に難癖をつけ補導員を買い物に連れ出し旦那の目の前で全額補導員にで払わせ恩を売るような真似までし、補導員との関係の正当性を主張してみたりもした。
足りない旦那は益々拗ねた。こうして不思議な生活が続いたある日、美里は再び妊娠した。
今度ばかりは旦那と行為を持つ日を計算し、それ以外の時はゴムを使わせたから旦那の子と確信できた。
ゴムを使わせ始めたのは、最初の子が死産と知って その間なにがなされていたかを知った母親が補導員にゴム装着をお願いしたからだった。
こうして無事に女の子を産んだ美里は一生懸命子育てをした。
子供は元気でとても利発に育った。それを幾たびも旦那に主張したが、残念なことに理解するほどの知能はなかった。
子供はゲーム以下の存在としか感じない旦那とはベッドを共にしなくなり、欲しくなると補導員を呼び寄せ行為を持つようになっていった。
子供は育つに従い、当然だが父と補導員の区別がつかないような発言や行動をとるようになっていき、旦那はますます家に帰りたがらなくなり、給料も一切入れなくなっていった。
だが、子供にはますます手がかかり、出費もかさむようになった 悔しいことにお金が工面できない。補導員がお金を出すときは決まって身体を要求してくる。
父親に言おうにも旦那以下の知能しかないし、当然のように補導員にと言ってくる。それが疎ましくてたまらなくなっていた。
自分の父親より5歳も年上の、しかも運動もろくにしない初老の男が欲しくもないときに勃起しないからとサービスさせられ、雄々しくなると自分勝手に中に出しサッサと萎えたモノをしまってしまう。
熟し切った女にとって煩わしいからと断りたくても実の父ですら良い男の妾と頼っている補導員を裏切れない。鬱々とした日が続いたある日気晴らしにネトゲを始めはまった。
ネットの上ながら若い男たちと知り合う機会が増えメール交換も行うようになっていった。
もともと同年代の利発な男性と関係を持ちたいと常々願っていたこともあり、ネトゲで知り合った男に誘われたのをよいことに出会ったその日に深い関係になった。
その男と数か月間、密やかに関係を持ち続けたが 困ったのは家に残してきた子供のこと。身体の処理が終われば早々に帰らなければならないが、それができない ひたすら男が欲しい年齢になっていた。
美里も学校もろくに出ていなく知恵が足りない。男に相談すると連れてきても大丈夫だと言ってくれ、ホテルにも子供連れで入って目の前で関係を持つようになっていった。
美里の性癖で特徴的なのは、自分が躊躇った時に無理やり開かれると逆上し、卑猥の度合いに見境が無くなるところだった。それがホテルで子供を目の前にし交わったことで表面化した。男は面白がり異様に興奮もした。
ある日男は美里を誘う際にもっと卑猥にさせ快楽を味わいたくて子供を自宅に置いて出てくるように要求した。
男が欲しくて仕方なく、捨てられるのが怖かった美里はこれに従い3日間自宅を開け男と快楽にふけった。
放置され泣いている子を見つけたのは不幸なことに補導員だった。
警察沙汰になり、美里は裁判の末親権が認められない離婚調停が成立した。
そのまま家に帰ることなくネトゲの男を頼って家を出た。
子供は旦那が引き取り、知恵が回らない旦那に代わって母親が面倒を見た。
美里は時々出会うことが許されたが知恵がついてくると外に男を作って子供を放置し出て行ったことを咎められはしないかと怖くなり、徐々に疎遠になっていった。
ネトゲは亡くなった父親が持っていたアパートに家賃を払って住んでいて、美里もそこに落ち着いたが、アパート経営をしているにもかかわらず兄は無職の居候で母親は生活費を捻出するために縫製工場に働きに出ていた。
妹は他府県に住んでいたが、これも旦那が働かずという理由で ほどなくして一家あげて実家に舞い戻ってきた。
一緒に住んでわかったことは旦那が働かないだけじゃなく、子供がいるにもかかわらず妹はしょっちゅう男を働きもせず変え遊び歩く典型的な不倫女房だった。
ネトゲとふたりっきりの生活をエンジョイするはずだった美里は今、母親とふたり 必死に働いて生活費を賄い、育児放棄された子を育てている。
当然、実の子と違って生まれ育ってこの方、まともな教育も愛情も与えていない子供が普通に育つわけはない。
時折その姿を見るにつけ、死んでしまった子ザルを手放せなく 腐敗が始まっているというのに大事に抱く母猿を見ているようで身につまされる。
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