爺様に仕込まれた露出癖 闇夜に浮かぶ白い肌
それなら調べる対象は、どちらかといえば二股を好むタイプでなければならない。
普通ならホスト関連を調べるところを、同棲が趣味という女を片っ端からあたった。
反応が全くないどころか、妖しまれて警察官に度々呼び止められるようになってしまっていた。
こうなると市内で聞き込みをするのは得策でない。
聞き込みの範囲を、比較的警察官の目の届かない場所に移すしかなかった。
流れ流れて辿り着いたのが、廃村の隣村、
「まさか、こんなジジババしか住まない村に、あんな女がいるわけないよなぁ」
もはやバカらしくなって村人に写真を見せることすらしなくなっていた。
「ふっ、俺としたことが・・とにかく一宿一飯ってやつにありつかんとなぁ・・・」
すっかり文無し、その日の宿にも事欠いていた。
「ちぇっ、陽が暮れはじめたぜ。ここらで寝床を確保といくか」
大きな農家の敷地内に、幸いにも出入りが自由にできそうな作業小屋があった。
付近の畑から盗んだキュウリを懐に、小屋に忍び込んで奥に積み重ねてあった藁の上で寝っころがりながら、それを齧った。
陽が西に傾くころになると、疲れも手伝ってすっかり寝込んでしまっていた。
竜彦は夜中に夢を見た。
鼻を摘ままれても気が付かないほどの闇夜の小屋の中、目の前に何かほの白い肌が蠢いているように見えた。
しかもその人肌は、くねりくねりと揺れ、悩ましげな喘ぎ声を発し、それに合わせるように何か柔らかなもの同士がぶつかり合う音も混じっていた。
和子がオーナーに抱かれた後の痕跡を見せつけられ、しかもそれを半ば叱責し、部屋を飛び出している。
嫉妬で怒り狂い、勢い余って強請ってやろうと放浪していた。
〈たまりにたまってたんだな・・・〉頭の中で、ぼんやりとそんなことを考えて、やがて再び深い眠りに落ちていた。
だが、朝日が差し込み、小屋の中をどんなに探し回っても、そのような痕跡は見当たらなかった。
〈なんだ、夢か・・・〉
立派な農具などがそろっているところを見ると、おそらく持ち主が日の出とともに現れる、
「こいつは急いで立ち去らんことには・・・」
痕が面倒なことになると、竜彦は痕跡を残さないように細心の注意を払ったうえで立ち去ろうと小屋から顔を出した。
「あっ、あれは!」
小屋の出口から目と鼻の先に、探していた写真の女が水路の流れを利用して洗い物をしていた。
その横顔からも、悩ましげに覘かせる衣服から僅かにはみだしたパンティーと、それを包み込んでなお隠しきれない豊かな腰つきからも、紛れもなく和子の部屋から逃げ出した女に間違いはなかった。
「この小屋に隠れ忍んで見張っていれば、あの女の素性や、今度も経緯がわかるというもんだ・・・」
そっと引き返すと、また元居た稲藁の中に身を沈め、息を潜めて時を待った。
「夕べは疲れて眠りこけ、夢の中に何かが出てきたように思っていた。だが、ひょっとするとこいつは、あの女がヨガってる声だったかもしれんな」
御屋敷というにふさわしい家の構えといい、ふしだらそうに見える女といい、こいつは幸先が良くなったと思った。
「もう少しの辛抱だ。家のやつらが仕事に出かけた隙に忍び込めば、ひょっとすると・・・」
久しぶりに女を抱けるかもしれない、
〈どうれ、具合を確かめておかんとな・・・〉
ファスナーを引きおろし、中身を取り出すまでもなかった。
夢の中に出てきた悩ましげな女の痴態を思い起こすだけで、股間は膨らみ窮屈さを感じるほどになっていた。
都合の良いことに、竜彦が忍んでいる稲藁の積まれた場所の板壁に破れ目があり、母屋が見渡せた。
小さな破れ目から熱心の外を覗いていた竜彦は、背中に視線を感じて振り返った。
「あなたは誰?そこでなにしてるの?」
何時の間に入ってきたのか、女が足元に立って、じっと竜彦の様子をうかがっていた。
「そういうあんたこそ誰なんだ?」
盗人とでも思われ、叫ばれでもしたらと、咄嗟に言い返した。
「ここはウチの小屋ですけど、何か言いたいことでもあるんですか?」
「そうよ、それよ、それそれ」
竜彦はここぞとばかりに写真を取り出し、
「いったいこれは誰なんだろうねぇ~」
女に迫った。
「あっ、え~っと・・・これは・・・」
藁の中から這い出した竜彦を観て、更に女は狼狽した。
壁の穴から外を見ながら竜彦は、ファスナーを引き下げ、いきり勃ったものを擦りあげていたことを忘れ、そのままの格好で振り返っていた。
〈しまった!うかつだった・・・〉
ここまできてしまったものを、今更仕舞いようがない。
意を決して竜彦は女に近づき、ペニスを、その悩ましげな腰に突き付けた。
「待って、今はダメ!ウチのひとに見られちゃう」
「それじゃあ約束が違うぜ」
意味も分からない言葉を発すると竜彦は、いきなり女の腰に手を廻し、引き寄せ唇を奪った。
「んん、ダメよ・・・」
そう言いながらも女は身悶えを始めていた。
「そうかい、よほど事情ってもんがあるようだなぁ」
竜彦はかまわずグイグイとペニスを女の秘部に押し付け、強く抱きしめにかかった。
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