孝志さんは学生時代、引っ込み思案で教室でも影が薄い存在でした。 宴会が始まっても誰も声さえかけてくれず、仕方なく孝志さんはひとり黙々と料理を摘みビールを飲んでいました。
酔いが回り始めた頃になって自己紹介が始まったんです。 しがない町工場勤めの孝志さん、これと言って自慢するものも無く淡々と工場に勤めた動機やら今でも独り者と言うことをしゃべりました。
その時は何事もなく宴は進んでいきましたが、興が乗りカラオケが始まる頃になると雰囲気が一変しました。
てんでバラバラに席を入れ代わるもの、お酒を注いで回るもの、お隣同士で昔の思い出を語るものなど男女の垣根がすっかりなくなっていったのです。
気が付けば隣に見慣れぬ女が来て盛んに周りの人にお酌してました。
どうやら遅れて到着し、その詫びのつもりでお酒を注いで回ってるようなんですが、問題はその服装。
夏だからなのか少し遠い席の人にお酌をしようとするとパンツが丸見えになるんです。
「あの~ あなたお名前なんて言うんでしたっけ?」 気後れしたように小声で訊く孝志さん。
「きゃあ~ 孝志くん、さすがはお目が高い! 紀子さんよ。 ほらっ、自転車通学してた」 そう言われてやっと思い出しました。
何処に居るのかわからないほど目立たない子で、確か学校を卒業すると山奥のどこかに嫁いだと聞かされていたんです。
「ひょっとして孝志くん、彼女のパンツ見てもし沙織さんなら二次会に誘おうとしたんじゃない?」
「えっ、いや・・・そんな・・・」 図星でした。
どう答えてよいやらしどろもどろしてると
「ほらっ、あれがお目当ての沙織さんよ。 幹事の亨くんに電話かけさせたらあなた来なかったでしょ?」 沙織だから来たんじゃないと言われ
「そんなことないよ。 電話は実家にかかって来てたから断ろうにも・・・」
電話を受け取ったのは母で、丁度その時母のオトコというのが顔を出していて、バツの悪さに急いで返答を返したから出ますとだけ伝えるのが精一杯だったんです。
お金を貸してくれと言われ実家に帰った孝志さんでしたが、どうやらそのお金はオトコに抱いてもらうために貢ごうとしてたようでした。
電話を盗み聞きした母は、自分たちこそお父さんの留守を利用してオトコを家に引っ張り込み真昼間からヘンなコトしてたくせに夕方近く、オトコと顔を合わせるのが嫌で時間をつぶして帰って来た息子に向かって 「同窓会出るんでしょ? いい子見つけて遊んで来たら? 今頃の子は尻が軽いって言うし」
運が良ければ童貞卒業出来てその女と結婚できるかもしれないとまで言うんです。
確かにそれは当を得てます。
学生時代からカッコいい上級生相手に躰の関係を重ねてきた彼女らはここに来て働かない、家のことは何もしようとしない旦那に愛想をつかし母のように外でオトコを作り遊び暮らしているという噂があったんです。
「今日電話かけて来た女って沙織って言うんでしょ? お母さんだってあんなに有名になっちゃ知ってるわよ」 不倫に走り始めた沙織さんを追ってご主人はその後始末に右往左往した挙句、恨みがましい文を残し鴨居にひもを掛けたそうなんです。
「それで懲りたのかと思えば、49日の喪も明けぬうちに もう同級生の亨くんとデキちゃったのよ」
「えっ それホントなの? 亨くんには奥さんや子供さんも・・・」
「そう、そこなのよ~ したたかな女よね~ 沙織って子は」 手を切ったフリして今でもウラで繋がってるそうなんです。
「孝志くん、昔から生真面目だったからひょっとして・・・」 冴子さんが意味深な笑いを浮かべ
「そうよね~ 憧れのヒトなんだから、しっかり酔わせてお世話になりなさいよ」 左手の人差し指と親指で〇を作り、右手の人差し指をその中に挿し込んでにんまりとほほ笑んだのです。
そうこうしてるうちに宴はお開きになりました。 すると・・・
「ほらっ 孝志くんチャンスよ。 沙織が男どもを引き連れて二次会に向かうんだって」 どうせしっかり飲まされた連中は二次会費を払わされるのが関の山。
「彼女、生真面目な孝志くんと今宵はすっぽり濡れたいみたいよ」 聞けば孝志くん、未だに独身なんでしょ? 彼女を上手く転がし結婚話に持ち込んだらとアドバイスまでもらい二次会に。
「正人くんも久しぶりねえ~ 元気してた?」 しなだれかかる沙織さん
「うん、沙織さんとこうして一緒に呑めるなんて夢みたいだ」 正人さんがやんわり口説くと
「ねえ・・・ここが引けたら・・・ねっ いいでしょ?」 何処かにしけこめないと沙織さん
一番奥の席に陣取っていた雄介くんが正人さんに何か合図を送ったようにみえました。
正人さんが合意してくれたと信じ切った沙織さん、正人さんの肩にしなだれかかり始めたんです。
スタンドの椅子から転げ落ちないよう沙織さんの腰付近を支える正人さん。
回転いすを時折廻すとボックス席に移動した雄介くんと残りの3人が沙織さんのスカートの中を覗き見てました。
何時の頃からかそれに気づいた沙織さん、トイレに入って下着を脱ぎすっぽんぽんになってチラ魅せし男たちを嬲ったんです。
決まりでした。
男性グループは孝志さんを置き去りにし、沙織さんを連れ、近くの河原に姿を消しました。
置き去りにされた孝志さん、店を出ようとすると請求書を突きつけられました。
なんのことは無い、孝志さんはグループと店がグルになってぼったくられたんです。
肩を落とし家路につこうとして路地を出ると、そこに紀子さんが待ってくれてました。
「やっぱり! 沙織って噂通りね」
「仕方ないよ。 僕が無知だったんだ」
「それ知ってて騙すなんて、許せない!」 憤ってくれる紀子さんに
「でも・・・ ええっと・・・ 何だっけ、その~」
「ふふふ 相変わらず正直者ね。 孝志ったら」 ヒールのつま先でツンツン突き
「お部屋に帰るんでしょ? 夜道は危ないからついて行っていい?」 お泊まりしたら邪魔かしらと聞かれたような気がして
「ええっ でも布団ひとつしかないし・・・」 真っ赤になって応えると
「大丈夫、あなたに風邪ひかせたりしないから」 私で良かったら温めてあげるとまで告られてしまったんです。
「それとも引き返して沙織をみんなでマワス?」
「それって沙織さん知っててついて行ったの? 輪姦じゃなくて」
「どっちもどっちよ。 沙織ったら正人さんと関係持てるならマワサレたっていいとまで言ってたみたいよ」
こういった情報は女同士だから喋れるのと聞かされ
「そうか・・・うちのお母さんが変になったのも知り合いの人の焚き付けだったのか」 がっくりと首を落とす孝志さんに
「噂ではそうみたいね。 今夜の沙織のように、ある人に恋心を寄せていて、そのある人が仲間に良い顔したくて回させたみたい」
「でもね、結局はお母さん? オンナのサガが勝ったってことね。 何本もイッキに突っ込まれ恥も外聞もなくなったのよ」
「そんなにいいものなの? 交尾って」
「ぷっ 孝志さ~ん 交尾って言葉ヘンよ! なんか直接的。 今夜抱かれたくなっちゃった。 抱いてくれる?」
「・・・でも・・・僕は」 躰を硬くする孝志さんに
「誰でもみんな最初はなるようになれよ。 あなたさえ良かったら今触ってくれない?」そ~っと手を取ってミニスカの中に導き入れてくれました。
小さな布切れを脇にどかし隙間から挿し込ませたんじゃなく、ちゃんとゴムの部分から土手や繁みを通りこしクレバスへと導いてくれてたんです。
「凄くあったかい。 それになんて素敵な香りなんだ!」孝志さん、街はずれの路上で紀子さんを前にして不覚にもギン勃ちになっちゃいました。
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