入谷村の悪しき淫習 ~パンツを脱いだ妻 ~
大学出のエリート大工とあって高尚な図面だっていとも簡単に引けることから当初は珍しがられ一戸建ての注文が面白いように取れたそうです。 しかし肝心の手下と言いますか使い走りがいないためどう頑張っても独りでは棟上げが出来ませんし第一期日に間に合いません。 次第に事業は先細りして行きました。 ところがそんな中あの両親に育てられ格好つけたがりの正人さんは派手に結婚式を上げたのです。
お相手の女性は夜の街で知り合った人で正人さんをただ単に某有名私立大学の卒業生で入谷村でも名をはせた銘家の出であるというだけの理由で付き合いを自分から申し出て、しかも自分から進んで嫁いで来たんです。
ところが来てみると話しと違って昼間でも日照時間が短い山間の地の廃れかけた家屋にまるで原野のようになった庭園。 人間の漢はおらず、いるのは狸か猪ぐらいで気は滅入る反面面白くもなんともなくなっていったのです。
ご主人の正人さんは朝が早いんです。 どんなに遅くとも6時半には家を出なければ現場に間に合いません。 そうなると朝餉を出そうとしたら5時には台所に立たないことには出来るはずもありません。 その台所ときたら生家と違い土間でしかも今時竈なんです。
しかも彼女は夜型の人間で、夜はどんなに遅くても起きてられますが朝は弱いし食べるのはご飯ではなくパンなんです。
そこいらからまず亀裂が入りました。 竈など使ったことも無ければ竈でご飯を炊いた経験もありませんからご主人に弁当など持たせたことも無かったんです。 コンビニで間に合わせてとお金を渡し自分は昼近くまで寝てました。
起き掛けに食事とはいかない甘やかされすぎた生活をずっと学生時代から続けていましたので同じことを正人さんにも薦めました。 こうなると正人さんも職人風の生活ではなく夜の街の生活になじむのは当たり前です。 家にいながら夜の街を味わえるのです。
寛治さんもそれほどお酒は強くなく、正人さんも本来は下戸でした。 山奥に連れてこられた淋しさを紛らすため呑む奥様に付き合って毎晩毎晩宴会の如く晩酌を続けた結果ものの見事にアル中になりました。 出勤し掛けにビールを飲み干すのが当たり前になっていったんです。
お酒を嗜まない限りアル中独特の躰の震えが止まらず自信も喪失してしまい梁の上に登れないんです。 (鳶職とは勢いで高いところに登る為) 職人の世界はとても狭く噂が立つのはあっという間でした。 確かに職業柄吞む機会は多いんですが彼らは鳶職の如く高いところになるほど好んで登りたがるんです。 ところが正人さんときたら大学に憧れるほどですから猿のような真似事はどちらかと言えば苦手です。
まずJV系の仕事は間違いなく干されました。 アル中が軽トラを運転し現場に駆け付け、安全帯はしているものの高所作業をおっかなびっくり行うなど以ての外だったんです。
※ JV系 (joint venture、ジョイントベンチャー)とは、建設業における共同企業体である。
悲しいかなこういった種類の人間と言うものは勢いをつけるため益々酒に頼ろうとします。 終いには鍋蓋大工などと揶揄される始末。
こうなることを予測していた妹の波留美さんは頻繁に実家に出入りし兄の面倒を見ました。 妹が駆け付け家の中のこと一切合切切り回したりしたら当然嫁との軋轢が強くなります。
稼ぐことが出来なくなった正人さんの収入を補うため波留美さんは嫁ぎ先から金銭を工面して来てはこっそりと渡していました。 食べ物すらも持ち運んできて面倒をみ始めたんです。 通帳を預かりきちんとした金額を入金し返しておくのも忘れず行いました。
そんなこととはつゆ知らず奥さん、家にいても面白くないものだからその預金を勝手に引き出し、まず手始めにと里に出て何か面白いことをと探し回ります。 そうして行き着いたのがあの史帆さんや春子さんが踊らされたグループだったんです。 寒村にあってこういったことを初対面の女にやらかすと普通は警戒心を抱くものなんですが・・・
ところが奥さんは出が出ですからすんなりとこれに馴染みました。 やってみると原釜 (はらがま) 家と比較にならないほど小気味良いんです。
顔を合わせたことはないけれど噂だけは耳にしていた あの曰く付きの姑 (美晴) さんがいたという リストカットをやらかし挙句鴨居に紐・・などということを恐れることなく嫁いでくるような嫁さんですのでどだい肝が据わっています。 人気者になれればと、それが面白おかしく暮らしていければとろくろく頼みもしないのにパンツを脱いでしまったんです。
そのような女が現れたとなると周囲は沸き立ちます。 それはそうでしょう、漢とは一発ヤラしてくれる女がいないからわざわざ大きな町に出て穴を探し求め右往左往するんです。 愚図でのろまだから田舎に残らざるを得なかったにせよ肝心の嫁の来手がなく溜まった膿の処理に困っていて一度で良いから下半身の面倒をみて欲しい。 来る日も来る日もそればかり考えていたからです。 噂は正人さんの耳にも入りました。
波留美さんは懸命になだめすかしましたがお兄さんの正人さんはプライドを気にし暴れた挙句益々酒に溺れました。 それはまるで 中組 (なかぐん) の左官屋 池之原幸次さんの末路に似ていました。
かつて原釜 (はらがま) 家がそそのかし豊里屋の埼松忠藏さんをして一切合切略奪した、それを今度は自分が被害者になりたかだか水商売上がりの女にしてやられているんです。 しかしそれでも一応漢ですから溜まれば女が欲しくて狂いました。
波留美さんが片道1時間かけて帰省し食事の世話から洗濯・掃除までこなさなければお兄さんは寝取られの悔しさを紛らすため酒を呑み続け餓死してしまうような有様になってしまったんです。
これではいけないと波留美さん、嫁ぎ先に泣きつき弁護士を介し離婚調停に持ち込みました。 どこで遊んでいるやらわからない背徳妻に向かって離婚訴訟をしました。
当然銘家の原釜 (はらがま) 家の財産である動産・不動産、それに預貯金をまさかの結果に備え換算せねばなりません。
弁護士が調べて行って驚いたのは先代の寛治さん、癌で亡くなる直前に借金こそ多少あれどめぼしいものすべてを例によって例の如く女に湯水のごとくつぎ込んでしまっていたんです。
残ったのは廃人と借金と知って相手はあっさりと引き下がりました。
これに怒った波留美さんは同じく嫁ぎ先の家名を使って嫁が如何にアバズレであったかを所かまわず吹聴したんです。
嫁ぎ先も相当な銘家なら原釜 (はらがま) 家もそれなりに銘家でしたので噂は噂を呼んで元嫁はこの地方に住めなくなり何処なりと姿をくらましました。 夫婦であっても夫名義の預金を勝手に引き出すなどしたら出るところに出れば窃盗だからです。 不特定多数に向かってパンツを脱ぐ・・までは良いんでしょうが代償を頂くと法に触れるからです。
あとに残されたのは廃屋化したかつての銘家 原釜 (はらがま) 家と大学上がりの大工崩れで廃人となった正人さんだけとなったのです。
悲しいのはその後です。 上野 (かみ) の由紀子さんも原釜 (はらがま) の波留美さんもそこが生まれ故郷なだけに廃墟となっても捨ててはおけません。 女だてらに原野と化した田んぼや畦道をなんとかしようと草刈りを始めました。 しかし所詮お百姓などやったことのないひ弱な躰、大自然が原野に帰る勢いは刈り取る勢いにも増して止まりません。
実家が細々とでも人が住む程度になっておれば夏場に刈り払いをしても汗と草や土で汚れた躰をシャワーで洗い流すこともできるんでしょうが、如何せん廃屋ではなんともしがたいんです。 熱中症の症状が出来るほど頑張って刈ったにしても原野化は止まりませんでした。
仕方なく双方ともかつての大災害 (山火事) を知っていながら原野に火を放ちました。 飛び火するなら叩いて消せばよいぐらいに思って火をつけました。 そして美晴さんがやらかしたのと同等の大火になったのです。 昔と違い類焼防止にヘリまで出動させてしまったんです。 それもふたりとも別々の日に同じことをやったので益々入谷村や周辺地区からは嫌われる元となったのです。
この頃ではもう隠れるようにして里帰りしなくてはならないようになりました。
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