誰かの悪戯かも知れないが、偶然にしては状況があまりにも符合し過ぎている。
「きゃぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~!!」
恐怖に襲われたありさは思わず悲鳴を上げてしまった。
ありさはすでに顔色を失っている。
急いでドアノブを握りしめ必死に廻した。
「ここから出れないなんて、いやだぁぁぁぁぁ~~~~~~!!お願い!開いてよぉ~~~!!」
(ガチャガチャガチャ・・・!!)
すると・・・
(カチャ・・・ガタン・・・)
ドアは容易に開いた。
「な~んだぁ・・・開いたじゃないの~。もう~脅かさないでよぉ~」
ありさは安堵のため息をついた。
「きっとどこかのありさちゃんが嫌われてて
落書きされたんだぁ・・・それにしても同じ名前だなんて・・・もう、びっくりしたじゃん~」
ぶつぶつと独り言をつぶやきながら、トイレを出て洗面所の鏡を見たありさは顔が引きつった。
「ええっ!?な、なにっ!!あれはっ!!」
洗面所の3枚の鏡には、赤い文字で卑猥な言葉が書きなぐられていた。
一番左側の鏡には『ありさ』
中央の鏡には『オマンコ』
一番右側の鏡には『命中』
文字は今書かれたばかりのようで、まだスプレーの赤いしずくが垂れている。
赤いしずくが血を連想させて、いっそう不気味さを醸しだす。
「だれ?だれが書いたの・・・?いやぁ・・・いやぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~!!!!!」
ありさは悲鳴を上げながら便所の出口へと駆け出した。
「えっ・・・?うそっ・・・!?」
確か公衆便所へ入った時は、戸が開けっ放しだったはずなのに、今は戸が締まっている。
「そんなぁ!!」
ありさは戸を引いてみた。
だが、戸は開かない。
鍵が掛かっているようだ。
(ガッガッガッ!!)
「開いてよぉぉぉぉぉ~~~~~~!!」
ありさは半べそをかいている。
(ガッガッガッ!!ガッガッガッ!!)
全身に力を込めて引いてみたが、戸は無情にも開くことはなかった。
「あぁ・・・どうしよう・・・ここから出れないよぉ・・・」
さきほどのトイレ内に書かれていた
落書きが脳裏に浮かんできて、ありさは恐怖におののいた。
(ガンガンガン!!ガンガンガン!!)
「だれか助けてぇぇぇぇぇ~!!ここから出してぇぇぇぇぇ~~~!!」
(ガンガンガン!!ガンガンガン!!)
いくら叩いてもアルミ製の引き戸はびくともしなかった。
その素材が持つ冷ややかな感触がありさの指に伝わってくるだけであった。
「あぁ、どうしよう・・・こんな所に閉じ込められるの嫌だよぉぉぉぉぉ~・・・」
ありさはがっくりと肩を落とした。
「他に出口はないし、困ったなぁ・・・それにだんだん冷えてきたし・・・あぁ・・・公衆便所に寄らなければよかったぁ・・・」
口を突いて出るのは愚痴ばかり。
ありさは途方に暮れた。
愛と官能の美学
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