知佳の美貌録「親の見栄」 進学校の参観に嬉々として出かける母
決まらなかったというより、肝心の就職試験を受けていなかった。
当時は勤めようと思えばどこでも募集をかけていた。
口では、進学を拒み 県外に出るのを拒んでおきながら、土壇場になって躊躇った。
どう考えても理不尽だと 内心思った。
だから、最後の瞬間まで就職試験は受けなかった。 が、 もう数日で卒業という日
最後に残った一社の試験を、しぶしぶ久美は受けた。 もっと良い会社が・・と
そう思っている間に就職活動の期間は過ぎていた。それほどに商業科とは募集が持ち込まれなかった。
しぶしぶ受けた就職試験の会社は、学科試験の問題は、人を馬鹿にしてるのかというほど簡単だったと
こともあろうに面接官に、そう思えた人に向かって言ってのけた。
何ゆえかというと、その面接官の中に 態度で言えば机に脚を投げ出して人の話を聞く
そんな見下げ果てた男がいたからで、その男に対し久美は面罵したという。
「お前のような奴が社長なら会社は間違いなく潰れる」と
面接が終わって、集まった一同が各々試験の感想を言い合った場で、
その、久美が面罵した、殊に態度が悪かった男が社長だと
合格合格と喜んでいたやつらから知らされる。
学校に取って返した久美は、担任に向かって開口一番社長を面罵したことを告げた。
「あの試験落ちたわ、先生次無い?」
「えっ、お前でもあの会社落ちたんか?」
実のところ、先に帰ってきたほかの生徒からは「絶対合格だった」と嬉々として報告を受けていて
まさかの大本命が落ちるなどとは担任も思っていなかった。それほど難しかったのかと思ったからである。
かといって、もう受ける会社は他に残っていなかった。
しぶしぶ、小さな商店の店番が空いていたので そこに仮決めして久美の就職試験は終わった。
卒業式を終えた数日後、学校宛に久美の 社長を面罵した会社からの合格通知が届いていた。
「合格した」と喜んでいた連中は全員落ちていた。
面接を終え、合格合格と会場の外で喜んでいた連中は全員不合格となり、
逆に下手な言動で落ち込んでいたものだけが通っていた。
後日、あれだけの根性がないような人間は役に立たん。 の社長の一声で就職が決まったと言われた。
少ない給料のほとんどを家に入れながら、久美は会社に通った。
一方の好子は相変わらずの生活ぶりで、誰にも知られることなく家を空けるのが普通になった。
しかも、その後ろ姿を追って父までこっそり家を抜け出すという 破局の家から久美は通った。
その最大の理由が弟の存在だった。
久美は、なんとしても弟を大学に無事出してやりたかった。
口では自分だけ冷や飯食ってといいながら、弟のために給料のほとんどを家に入れた。
母はと言えば気楽なものだった。
なにせ生活保護費が決まって降りる。
遊んで暮らしていても、食べることだけはなんとかできた。
そのぶん、以前にもまして男と遊んで暮らした。
旅館の女将や校長との仲は、保護費で安定してくると勝手にやめていた。
やめておいて、その頃閨が上手、面白い不倫相手と目をつけてくれていた男とねんごろになった。
夫 幸吉の目を盗んで出かける先も この男の元へだった。
それを、どこで見ていたのか幸吉が後をつけ男との情交を家の外から窺っていた。
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