人妻がモテ度を測るモノサシ それは幼き頃、父を相手に母とが教えてくれた因襲だった。
子供は見た目にも成長が遅く、食を与えれれていないことがわかった。
見回す限り、家の中に食べ物のかけらさえ見当たらなかった。
困窮を極めていることは明らかだったが、男の枕元にはふんだんに現金が置かれていた。
彼女がどこからか工面してきたお金出ることに間違いはなかった。
「パチンコですっちゃってよ」
「あたしがなんとかする。そのかわり・・・」
わかってるよと言うが早いか、男は女を組み敷きにかかった。
「そんな・・・急になによ・・・」
拒む仕草を見せながら、男の行為に合わせ身体を割り始めるオンナ。
「気が散るじゃないか!どっかへ出ていきな!!」
甘ったるい声が罵声に変わった。
怯えきったような目つきで家を後にする子供。
玄関ドアが閉まるのを待たずして絡みは始まってしまっていた。
この感覚というか、やり方はなんと 離婚前から彼との間で続いていたというから驚きだ。
この女性にとってこのヒモともいえる男から、どうしても離れられない理由があった。
剛柔織り交ぜた責めだった。
女性をある時は支配下に置こうとし、ちゃぶ台返しをやった。
ところがまたある時には掌を返すかの如く優しくなった。
そこに理屈などなかった。
現在住み暮らす家庭と違ってつかみどころのない男だった。
物事を常々正常な寸法で測らなければ気のすまない性格に育てられていなかった彼女。
つまり、生まれ育った家庭も、常に父親の顔色を窺いながら住み暮らさなければならなかったのである。
この、顔色を窺い、気に入られるように努力することこそ生きがいとなって大人になり結婚した。
夫は見栄えで選んでくれていた。
最初寸法を測り間違えたのは夫、
次に寸法を測り間違えたのは妻だった。
ある日の夜、女子会の2次会会場で今回の彼と出会った。
スマートに女性をリードしてくれる彼に彼女は興味を持った。
女子会の仲間も彼と彼女の関係が発展するよう仕向けてくれた。
女性陣にとって、人妻が恋に溺れ堕ちてゆく様ほど面白く、興味を惹くものはない。
酔うほどに、時間が経過するほどにふたりは熱い抱擁を繰り返し、結局一緒に行ったみんなに見送られるように、せかされるようにしてホテルに入った。
肉体関係に発展するきっかけだって、優しさの裏に隠された強制さで割り込まれたからだったと今でも彼女は思ってる。
彼の良さ、それは家庭を顧みることなく、常に快楽を追究するかの如く強引さで愛を語ってくれること。
我が子の前で、恥ずかしさに、夫へのすまなさに身を揉みながら延々犯し続けられ、オンナを押し広げられた。
平凡な暮らしに疲れていた彼女にとって、この彼の行動・存在は青天の霹靂だった。
愛は包み隠す必要のないものだったのかもしれない・・・
怒鳴られながら、息を殺し父に組み伏せられていた母。
恥ずかしさで身を揉みながらも応じていた母の姿をこの時になって思い起こした。
行為の前に恥じらいなどという屁理屈が通じなかった父。
子供の頃は観るもおぞましき光景に映ったものが、今なら理解できると思った。
この強引すぎる愛に、たちまち夢中になっていった。
彼に命じられれば我が子のことなど忘れ、食事も与えず幾日も家を空けた。
家事育児の方針まで、彼の意見を聞くようになっていった。
最初の時こそ、彼が突然家に押しかけてきて関係を結んだ。
だがそれ以降、彼女は彼の後を追いかけるようになっていった。
彼の友達を紹介されたとき、本来自分がいるべき場所はここだと思った。
限界になるまで相手を弄ぶ。 彼らの主義だった。
それがどんな状況になろうと振り返らないというのが無言の鉄則になっていた。
仲間の顔ぼれが揃う。
その中で、彼は群れのどの女性に対しても真摯に通した。
オンナになりたがって媚びを売るものがいる。
それをひけらかすのが彼ら集団のやり方だった。
常に懸命であれ、それが彼を引き留めるモノサシとなった。
遊び歩き、家庭を顧みなくなった妻を、見て見ぬふりをする夫。
離婚を申し立てられると覚悟を決めていた彼女だったが、
夫の口から離婚という二文字が発せられることはなかった。
結局離婚に至る原因を作ってくれたのは、彼の行動だった。
間男の存在を無視され、怒った彼によって彼女はある日仲間内で回された。
媚びを売る仲間のオンナが彼と連むのを魅せ付けられながらの輪姦だった。
「お前にめり込ますと、アイツ凄い状態になっちゃうみたいだよ」
男どもが先を争うようにのしかかってきて挿し込む。
子供を産んで熟れ切った中に競うようにオトコが突き刺さる。
押し広げられると意識もないのに愛が満ち溢れた。
その苦しみに声が高まるほどに彼とオンナの連みは激情化した。
「ああ・・・彼が盗られちゃう!!」
男が押し入る惑乱と、彼を盗られまいと魅入るを繰り返すうちに意識が遠のいた。
婚姻性活でも得られなかった「イッタ」瞬間だった。
何事につけ言いなりにならないと機嫌が悪くなる彼。
他人の妻を弄んだことへの感想を、弄ばれた妻の夫に直接問いただすつもりでいたらしい。
が、夫はこれを無視し続けた。
気に食わない相手を凹ます。
しかもそのことが公になるよう、事が終わったその姿のまま自宅周辺を連れまわされた。
彼女のことを、まるで自分たち共用のオンナとでもいうかの如く仲間連中が彼の前でも触りまくってきた。
身を揉むしかない彼女を前にして声高らかに、男たちの勝鬨が上がった。
噂は近所の主婦を通じて夫の耳に入った。
冷ややかな視線を送る近隣周辺の人々、
夫は冷めた口調でこう言い放った。
「仕事で疲れてるんだ!いい加減にしろ!!」
だが彼だけは違っていた。
疲れ果て、何もやる気を失っている彼女に向かって、
「気にすんな、俺が守ってやる」 と。
その言葉を良く呑み込めないで逃げようとしていると、
まるでそんなことなどなかったかのように強く幾度も抱いてくれていた。
〈 許されたんだ・・・ 〉
彼は何をさておいて、自分の身体を求めてくれている。
そこには夫や子供、近隣住民への気使いなど全くなかった。
それどころか、あれほど仲間の連中に玩具扱いされた身体なのに、何もなかったかのように求めてきてくれていた。
どんな状況にあろうと畏怖することなく求めてくれている、それがこの上なくうれしかった。
「あなたの仲間のどのオンナより、あたしってキレイ?」
言い終わるのを待っていたかのように身体の芯に衝撃を送り届けてくれていた。
彼女が生まれて初めて気づかされたモテ度だった。
彼の最上位に、自分の存在があると 回された後であったからこそ思い違いをしてしまっていた。
お求められたお金や時間を、彼の要求を満たす以上に与えた直後は何の脈絡もなく刺激を送ってきてくれる。
幼いころ父が家族、特に母に見せてくれた、
「今夜はお酒、たくさん買っておきましたよ」 それとあまりにもよく似ていた。
〈 機嫌が良い夜は、必ず母は父に苦しめられていた 〉
あの悶え苦しみが両親の愛の形だと彼によって教えられた。
実家からお金を工面できなくなった母は、やがてあたしとともに捨てられたんだっけ・・・
ふとしたきっかけで不安がよぎることもあった。
でも彼は、父とは違う。
飽きて、お金を持ってこれなくなったら捨てられるなどということなど、到底知る由もなかった。
〈 あの子にかかる費用と時間をなんとかしたら、もっと彼を喜ばすことが出来るかもしれない 〉
我が子同様に折檻され捨てられることが怖かった。
「ねぇ・・・あたしのこと好き?」
ただ、毎夜身体の中を強引にひっかきまわすが如く暴れ狂う彼に一抹の不安を覚え、身を揉むばかりだった。
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