淫靡な疼き 策略
「おしまいにするならするで、二度と個人的な誘いはしないから心配するな」
篠田の口調から未練を断ち切る断固とした意思が伝わってくる。
加奈は慌てた。
結城に身を任せているときは気にも留めなかったが、加奈は36歳 女の盛りになっていた。
異性に満たされたい欲望の何たるかにやっと気づき始めていた。
肉の欲望に満たされたい。
かと言って夫では満たされない。
だから結城に身を任せ愛され、潤った日々を過ごしていた。
これからの日々、結城との想い出だけで生きてゆけるとは到底思えなかった。
---- じゃあ、おしまいに ---
これが篠田からの最後の意味を含んだ誘い、そう思ったとき加奈は、
「いやっ!」
反射的に口を開いていた。
「そうか、おしまいにするのはいやか、このまま続けるということだな」
篠田がふふっと笑った。
「それでいいんだな?」
加奈は今度は頷いた。
「強引に事を運べば拒絶されるが、おしまいにしようと言えば、それはいやだと言われてしまう。女の心理は面白いものだ」
篠田がまたククッと笑った。
巧く策略にハマったことをこの時になって加奈は知った。
最初からこれでお終いにする気など篠田にはなかったのだ。
どんなに恨めしく思っても、これらのやり取りで関係の継続を望んだのは加奈ということを加奈自身が証明したことになる。
「庄と決まればシャワーだ」
篠田がいきなり掛布団を跳ね除けた。
布団の中の加奈はなにも身に着けていなかった。
急いで嗅がされた布団を引っ張って掛けようとした。
それを篠田が阻んだ。
「昨日いいことをした後、そのままぐっすり眠ってしまったんだったな。汗まみれ、ザーメンまみれのはずだが、まさか処理のせず服を着ようというんじゃなかろうな?」
強烈な言葉に先進が火照り、アソコがキュンと熱くなった。
「シャワーがいやなら、そのままでもいいんだぞ。加奈のものなら、そのままでも舐められる」
下腹部に顔を近づけた篠田から加奈は慌てて躰を躱した。
「シャワーを浴びる気になったか?」
加奈は頷く代わりにベッドから下りた。
久爾子から借りていた筈のネグリジェがない。
あたりを見回したがショーツさえない。
加奈は戸惑った。
「どうした?」
「・・・あの・・・ インナーが・・・ ネグリジェも・・・」
「シャワーを浴びるときは素っ裸と決まってるだろう?」
このままこの部屋を出て浴室まで行けというつもりだろうか。
篠田とふたりだけならいいが、他の部屋に久爾子が居る筈で、出会う可能性だってある。
「行くぞ!」
「タオルを貸して・・・」
「タオルは浴室に備え付けてある」
「このままじゃ・・・」
「他人行儀だな。俺だって素っ裸だ。広い屋敷じゃあるまいし、たかが風呂まで数メートル、何が気になる」
腕をグイッと掴まれ、強引に寝室から連れ出された。
- 関連記事
-
- 淫靡な疼き 容赦ない尻肉への打擲
- 淫靡な疼き 策略
- 淫靡な疼き 躊躇い