知佳の美貌録「お気に入りの場所」
その家とは久美の話しからすると造りからいって江戸末期から明治にかけて建てられたと思われ、一般の町屋と異なり農家でしか見かけなくなった大きな縁側があったようである。
近年の建築物は家は外から見た時にその家の表面に柱はほぼ見当たらない。
室内は特に柱が見えないように壁だけの部屋を作るのが近代建築のいわゆる洋風で、柱が見えるように作られるのが和室造り、つまり日本古来の様式なのである。
洋風とはまた細い柱をというよりその面を耐震性を増すよう補強材で補強し壁自体が厚く頑丈に作ってあるからして昔のように無駄に太い柱は必要ないのだ。
断熱効果に優れている一方で壁は外界と完全に遮断された密閉空間を作ってしまう。
欠点は屋内に泥のついたようなものを持ち込めないこと。
自然と一体化 (通気性が良い) できないところにある。
それに比べ古来の建築は太い柱と大きな梁が中心をなし、外部と一体化するような構造体を成している。
つまり家の中に大自然が存在するようなもの。
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