「許せ、そんなつもりで言ったんじゃない」
永見武弘は妻の春奈に向かって手を差し伸べ、その春奈は武弘のことを、知り合った当時と同じ呼び方で呼んだ。 永見武弘は一瞬怪訝な顔をしたが、愁いを込め名字で呼ばれたことに逆に気を良くした。 恋人同士に戻って、人生をやり直そうと妻の春奈は考えてくれているように思えた。 武弘はそう感じ取ったが当の春奈はそうではなかった。 これから先、必要な分必要なだけ掠め取り、必要なくなったら捨てればよいと、あの刹那に思い描いてしまっていた。
外で悪さをして帰った直後、春奈は烈火の如く怒るのが常だが、しばらく時間が経つと、また穏やかな妻に舞い戻る。 今回の件もきっとそうに違いないと考えた武弘は、あまり深く考えず妻を再びベッドに誘った。 自分が悪いのではなく妻が悪かったのだ。 尊大な気持ちになって不貞を働いた妻を許す気になった。 たったそれだけのことであったが、武弘は女になり切った風な妻を見て、漲らせてしまっていた。
「春奈、お前も知っての通り、俺は仕事で疲れてたんだ。 ほっておいて悪かった。 今はお前のことを心から心配しとる」
武弘のこの詫びに似た言葉を、春奈はぼんやりと訊いていた。 このような状態になってなお、武弘の言い分は夫婦の危機に至る以前と少しも変わらなかった。
「もう二度とこんな騒ぎを起こしたくない。 なあ、今一度確かめ合うことは出来ないものだろうか。 春奈を誰にも渡したくないんだ」
醒めた気持ちで武弘の言葉を聞き終えた春奈は、武弘が望んだ通り、漲り始めたペニスに手を伸ばした。 ほんのちょっと気を緩めたら、膣内に溜まっていた愛液が流れ出たからだ。
「いいの? こんな女で」
「ああ……俺には過ぎた女だ」
肩を抱き、うなじに熱い吐息を吹きかけセックスを迫る武弘に春奈は、憎しみを抱きながらもそれを包み隠し、さも
欲情してる風に装って抱きついた。 表情を悟られまいと顔を、武弘の脇腹辺りにぴたりとくっつけ、入り口のドア方向に視線を泳がせ、にやりと笑った。
春奈は武弘に抱きつきながら、これまでの夫婦生活同様にペニスを扱き始めていた。 許された気になった武弘は漲り始めたペニスの先から濁流を放出すべく春奈の唇を求めた。 漲りを春奈の腹部に押し付け彼女の
欲情が冷めないようにしながら、ベッドに押し倒した。 ラビアに手を伸ばし、湿り気を確認すると枕元に回り、反り返ったものを口元に突き付けた。
「…あああっ…」
春奈は深く息を吐くと、武弘のペニスを口に含んだ。 乱れた格好でしゃぶりながらも、今しがた指を這わされたラビアを、武弘の視線の先に晒すのを忘れなかった。 こんもりとした繁みの向こうに満々と水をたたえた泉が広がって、牡を求め息づいている。
「うおう……むむむ……・っああ……っああ……」
武弘は躰を硬直させ、顔を真っ赤にし春奈のアソコに手を差し伸べるのを我慢した。 これまでの経験上、夫婦生活で春奈は、こうしてじらされると決まってあられもない声を洩らし始め、異様に興奮し始めるからだ。 手を触れていないにもかかわらず、春奈のクレバス付近がしっとりと露を含んだ状態になったのを確かめると武弘は、春奈に向かって声をかけた。
「そこに横になれ」
漢の自信を、屹立を漲らせ、与えてやったことで取り戻した気になったんだろう。 つい今しがたまで詫びの言葉を口にしていたものが、もう命令口調に変わっていた。 春奈は片膝を立てたまま上半身をわずかに起こし、武弘に身を任せ、武弘は春奈の足首を掴むと少し持ち上げるようにして太股を一層割り、その隙間にがっしりした腰をめり込ませた。 寝バックだ。
武弘は己の逸物を震える手で握ると春奈の蜜壺に切っ先をあてがい小さく掻き回し、春奈の粘膜が異物の侵入を感知し開き始め、先端がわずかに埋まったところで腰を送った。
「…っあああう、 はああ~」
春奈の口から吐息が洩れ、締め付けが始まり、それが徐々に喘ぎ声に変わっていったところでピストンを速めた。 漢の自信を取り戻した武弘のペニスは、嫉妬に狂ったときほどではないにしろ、それなりに膨らんでいて、それが未だ埋火が残っている膣奥の膣壁をえぐるのだろう。 大きく腰を振り、ペニスがストライドを繰り返すたびに肉胴に付着する白濁液の量も増えていった。
「ああああ……あなた……ステキよ」
春奈は心にもない世辞をいい、武弘はそれを真に受けピストンの速度を増す。
「ああん、ああん、ああああ……」
左手で自らの太股を結合の邪魔にならないよう引っ張って広げ、懸命に奥深くへ寸足らずの亭主のマ〇を導こうとする春奈。 武弘の屹立を迎え入れながらも頭の中ではまた別の漢との情交を思い浮かべ快楽を貪るべく
欲情に拍車をかけていた。 漢とは単純なもので、女が乱れさえすれば、愛液風な露が溢れさえすれば、己のペニスの影響で逝ってくれたものと勘違いし張り切るし漲らせてくれる。 この時の結合は、まさにそういった常態下で行われていた。 漢は出すことのみに集中し、女はより高みを味わいたく演技をする。
「うくっ、ハアハアハアハア……う~む」
妻の興奮した姿にたまりかね、武弘は再び春奈の入り口付近に飛沫いてしまった。 苦し気に、体力・精神力のすべてを花弁目掛けぶちまけ、謝るでもなく、さりとて自慢するでもない、中途半端な態度を取った。
「春奈、今夜は一緒に寝てくれるな」
荒い息を吐きながら、武弘はそれでも心配でたまらず、春奈の気持ちを確かめるべく耳元で囁いた。
「ええ……このまま一緒に朝まで過ごさせて……」
訊きようによってはワンナイト的に聞こえないでもない。 しかし、精も根も尽きた武弘にとって救いの言葉に聞こえた。 ペニスや股間に春奈のシルをたっぷり付着させたまま、武弘は深い眠りについた。
春奈はひとつベッドで横になりながら、まったく別のことを思い描いていた。 結婚この方、永見家の格式にとらわれ、唯々諾々と従ってきたが、もうこの辺で自由気ままに生きてもバチが当たらないんじゃなかろうかと思えたのだ。 この程度でこれほどまでに夫が混乱をきたすなら、また別の漢と過ちを犯し、万が一それがバレたにしても、この漢なら別れを切り出す勇気はあるはずがない。 そう結論付けた。
翌日から春奈の生活は少しづつ変わっていった。
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