ありさ ブルースネイク 第1話 Shyrock作
「ありさ、彼らにもう一度会うのはやっぱりやめた方がいいと思うよ。何か悪い予感がするんだ・・・」 ベッドの端に腰を掛けてニーソックスを穿くありさを見つめながら、雅治は不安そうにつぶやいた。 「だいじょうぶだよ~。心配しないで。アイツらワルだけどさぁ、すぐに分かってくれるよ」 ありさはこの世界ではかなり有名な暴走族『ブルースネイク』に所属していた。 格式を重んじる家庭に嫌気が差し、家を飛び出した後、アルバイトで食いつなぎ細々とした生活を送っていた。 やがて知合った友人から誘われるがままに入ったのが現在の『ブルースネイク』であった。 『ブルースネイク』には女性会員が20人ほどいたが、メンバーの中でもありさの美貌は群を抜いていた。 ロングヘアをなびかせてバイクにまたがる姿は野性味に溢れ、20歳とは思えないほど大人っぽく、持ち前の美貌も手伝って、仲間の男たちからは常に熱い視線を浴びていた。言い寄ってくる男も数知れなかったが、ことごとくはねのけた。 強引に手を出そうとする男には、パンチを食らわせる等こっぴどく痛めつけたこともあった。ありさは以前少林寺拳法を習っていたこともあり、並みの男よりははるかに腕が立ったのだ。
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