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しかし、ありさにはリーダーから強く信頼されているという自負があった。
(リーダーなら話せばきっと分かってくれるはず)
ありさは今夜10時、ブルースネイクのアジトに行くことを約束していた。
雅治から「危険だから行くのはやめた方がよい」と諫言されたありさだったが…。
ありさとしては自分を心配してくれる雅治の気持ちは嬉しかったが、ブルースネイクを脱退するためのけじめはきっちりとつけなければならないと考えていた。
それは、ありさにとって、自分が新たに生まれ変わるための一種の禊(みそぎ)のようなものであった。
ありさは洋服を整え、洗面化粧台に向かった。
「ありさ、いくら言っても決心は変わらないようだね。仕方がないや。気をつけて行ってくるんだよ。終わったら必ず電話して。待っているから」
「うん、ごめんね。でも心配しないで。リーダーは物分りの良い人だし話せばきっと分かってくれるから。終わったら電話するから」
「ありさ、君の無事を祈っているよ」
「ありがとう・・・」
雅治はありさを抱きしめ熱いくちづけを交わした。
そして『ブルースネイク』に向かうありさの後姿をそっと見送った。
「ふむふむ、なるほど、そういう訳か。カタギの彼氏ができたから『ブルースネイク』を辞めたいって言うんだな。よく正直に話してくれた。いいだろう・・・」
リーダーの口からは意外にもあっさりと許可の言葉が飛び出した。
その言葉を聞いた瞬間、ありさは「ホッ」と胸を撫で下ろした。
メンバーからは『鬼隊長』と恐れられているが、決して話が分からない男ではないと日頃から思っていたありさは、自分の判断が間違いでなかったことに安堵のため息をついた。
「ありがとう、リーダー。感謝するよ。色々と世話になったね。じゃあ、アタシ帰るね」
「もう帰るのか?じゃあ最後に餞別をしなきゃいけないね」
リーダーはにたりと笑ってつぶやいた。
「餞別・・・?」
「おいっ!みんな!ありさとは今夜でおさらばだぜ!餞別を早く用意しなっ!」
「OK~!」
「オーライー!」
「オレも餞別をしてやるぜ~!」
突然、ありさの後方のドアが開き、男たちがズカズカと入って来て、瞬く間にありさを取り囲んでしまった。
「な?何なの!?」
あまりの突然のことに驚きを隠しきれないありさ。
リーダーの号令一過、突然現われた男たちに、ありさは不吉な気配を感じ取った。
だが、見渡すと馴染みの顔ばかり。まさか女リーダーだった自分に対して、妙なことはしないだろうと、ありさは高を括っていた。
しかしそんな自負等とんだ間違いであったと、のちに痛感させられることになってしまうのであった。
リーダーが1人の男に指図した。
「おいっ、今夜は女リーダーありさ様の送別会だぜ!盛大に祝ってやるんだ!」
「ホイ来た!」
男はありさの目前に立って、取り出したジャックナイフでありさの頬をピタピタと叩いた。
「な、何すんだよ~!てめぇ~!」
ありさは血相を変えて男のむなぐらを掴み挑みかかろうとした。
それでも男は怯まない。
「ふん!相変わらず威勢がいい女だぜ!だがよ、その威勢の良さがどこまで続くかな?」
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