お医者さんが薦めてくれた漏れ止め処方箋 知佳作
今回の事件はこの一言から始まりました。 事実堤先生は見た目にも痩せこけ心なしか顔色も青白く見えたんです。
「ちゃんと食べてるの? おなかの調子でも悪いんじゃない?」
薬種問屋の女将は心配して様々な薬を調合し服用させるんですが一向に回復の兆しが見えないんです。
人間有頂天になると周囲の状況が見えなくなるというのはよくあることです。 大切な母子や須恵乃さんの生命と財産を守ることができ、下薬研 (しもやげん) の活性化に帰依することができてからというものこれまでと打って変わって展望が開き始めた先生はまるで天にも昇る勢いで日々過ごしていました。
あまりの多忙さに睡眠まで削らなくちゃならないほどだったのです。 しかし恋人の真紀さん母子もやっと回復に向かい始めた時であり心配させたくなくて体調不良などと言い出せなかったのです。
「ねえ先生、今度お泊りに来てくれるのはいつなの?」
この頃はひっきりなしに質問攻めにあいました。 真紀さんのみならず公子ちゃんまでもがひとつ屋根の下で一緒に暮らせる日を夢見ていたんです。
「秋の収穫にはちゃんと休みを取って来るようにするからその時かな?」
「わあい! 早く秋が来ないかなあ」
「やれやれも朝か」
口内炎に悩まされ、便秘と下痢を繰り返す日々の中次第次第に朝起きるのさえつらくなり始めたんです。 殊に夏とはいえ冷たい大川の水の中に素足で入り、つけ針を仕掛けたり上げたりしていく作業は体調不良なだけに相当堪えました。 それでもこれが真紀さん母子にとって最大の栄養補給である以上どうしても止めるわけにはいかなかったのです。
「先生、虫歯でもできたんですか? ご飯を変な噛み方して」
下宿のおばさんにこう指摘され、さすがにこれではいけないと授業を抜けさせてもらい街の病院へこっそり行ってみました。
口内炎に加え歯茎が腫れて硬いものが噛めなくなっていたんです。
「よくこんな状態で頑張ってこられましたなあ、口内が雑菌の山ですよ」
何か思い当たることはありませんかと聞かれたんですが、思い当たることだらけで確証が持てないんです。
「はあ、いえとんと…」
曖昧な返事を返すと
「まあ一週間分薬を出しておきますからそれを飲んで様子を見てください」
こう言われて帰されました。
確かに薬を飲み始めると口内炎は徐々に良くなりお腹の不快感も止まり便通もよくなっていったんです。 ただ歯肉炎だけは多少ではあるけれどしつこく残りました。
「やっぱり早く病院に行くべきだったんだ」
簡単に治ったものですからお医者さんから言われた一言をついつい忘れてしまって元の生活に戻していたんです。
ところが薬が切れてものの二週間も経たないうちにまた同じような症状が復活してしまったんです。 しかもこの頃では寝るころになると頭痛がするんです。
「ああ、この前の雑菌ね。 私も気になって分析に出しておいたんです」
結果を知らされて愕然となりました。
「じゃあ思い当たるフシはあるんですね?」
まじまじと見つめられ
「ええ…、はい。 この夏知り合った方が飼っておられて、あまりの可愛さについつい」
尻尾を振って近寄ってくる放し飼いの犬を抱いてやるととても気持ちよさそうにするものだから、犬のやりたいように顔や時によっては口の中まで舐めさせていたんです。
「あなたの場合どうやらその犬の持つ雑菌が体内に回ったんでしょう」
そんな状態でいつもと変わらないようあちこち飛び回られては如何に強靭な肉体でも悲鳴を上げますよと言われ、この時は点滴を受け歯肉にも抗生物質を塗ってもらい薬も前回同様出してもらって帰宅したんです。
「薬を出すにしてもあなたは病人なんだから少しは休ませなくちゃ」
こう言葉を付け足すのをお医者さんは忘れませんでした。 せめても薬がなくなり元の状態に回復するまで何もかも忘れて休めと言われたんです。
見る限りに女ならコロリと逝きそうなイケメンでしかも知り合ったばかりの女の人が飼っている犬を可愛がるとなると医師でなくとも結論はひとつしかなかったんでしょう。 はっきりこうだとは言いませんでしたが要するにチ〇ポを使うのはほどほどにしなさいと言われたんです。
(困ったなあ、確かに考えてみればもう秋、ウナギもこの頃は海に下り始めたのかとんと釣れなくなったもんなあ)
名人上手の爺様でさえ持ってきてくれなくなったのです。
休めと言われた件はそれ以上にグサリと心に響きました。 調子に乗って要求に応じてきたものの4人もの女性を相手に欠かすことなくお勤めをこなすというのは無理以外の何物でもなかったようなんです。
「それで先生、まさか私を除外するなんて言わないでしょうね」
お医者さんから言われたことをそのまま伝えると案の定食って掛かってきたのが阿部先生でした。
「いや・・・その… 除外だなんて」
「大体そうよね~ あれ程避けて通ってたはずの須恵乃さんの家に… そうでしょ、先生」
冗談かと思いきや目の色変えて怒ってるんです。
「でもあれは・・その、彼女には病身の真紀さんや公子ちゃんの面倒見てもらわなくちゃ」
こういいかけるのを制して
「だからと言ってこんな体で毎夜毎夜自分から訪れてその方面にかけては化け物みたいな女に抜かれたんじゃ持つわけないじゃないですか」
自分のことはさておいて、面倒見てる全ての女に律儀に毎夜必ず注ぐなんてことは許しませんとぴしゃりと言い放たれてしまったんです。
「これを機にまず明日の朝から女将さんへの放出は止めることですね」
ご挨拶代わりに挿し込むことまで止めなさいとは言わないけど、気を惹こうとシズクを出して魅せるのだけはこの際止めなさいと釘を刺されたんです。
須恵乃さんも女将もいつも通りお相手をしつつ寸止めで終わらせなさいと言われたんです。
これができそうで中々そう簡単にはできませんでした。 最初のころは妖艶な肢体を晒してもらい、それでも相手の望むエラ張りの状態にならないと分かるとお互い阿吽の呼吸で性器を晒しあうことでようやく女性の希望に叶う張りと硬度に達することができたんです。
ところがこの頃では彼女らの体臭を嗅ぐとか肌に触れるだけで自在に彼女らが望む以上の張りと硬度を得ることができ、むしろ手伝ってヌイてもらって初めて普通並みに股間に納まるように、つまり射出することが癖になってしまっていたんです。
「女は何も目の前で出してとかぶっかけてとか、ましてや飲みたいなんて言ってないと思うわよ」
好きでいてくれるという証拠さえ魅せてくれたらそれで十分と阿部先生
「この頃では須恵乃さんの話しによると入谷村の隠居 (えんきょ) とか言うところの敏江さんにえらくご執心で気に入られてるそうじゃない」
彼女に魅せたりすればまた出さなきゃならない女性がひとり増えるわよと忠告されたんです。
自分でできないなら手伝ってあげるからいらっしゃいとまで言われたんです。
症状が緩和すると早速気の強い阿部先生相手に寸止めの練習が始まりました。 お互い舐めあったのち騎乗してもらい射精感が満ちたところで引き抜くというものでした。
「いい先生、女って中に出されることに警戒心を抱くの。 雄々しくしたまま出さないようにして逝かせることが本当の愛なのよ」
堕とした瞬間自分も中に放出したら確かに気持ちは良いかもしれないが女としては心配が残ると告げられ、それがなされるまで幾度も挿入と中断を練習させられたんです。
(はあ… まるで義務のようなやり方で、それも中断かあ… 泣かせてしまったなあ)
最初から注ぐ気満々で挑んでいくのと女を堕とすだけのために嬲るのとでは受けてる方として良さが違います。
恋人の真紀さんに対しては確かにこの方法は最良だったかもしれませんが須恵乃さんが果たして喜んでくれてるのか心配でした。 義務で挿入してると知ったら自分で身を引くような女であることは十分知っていたからでした。
ところがいざ須恵乃さんとまぐわう機会を得て実際に躰を重ねると
「先生、もうお体の具合いいんですか? こんなことしてお体に障りませんか?」
心配しつつも十分上り詰め逝ってくれたんです。
「ごめんよ、お医者さんに止められてたもんだから……」
放精できなかったことを謝ると
「うううん、先生と躰を合わせることができただけで十分、捨てられたんじゃないかって、そればかりが心配で……」
泣いてすがられたんです。
「また元のような体になれるよう頑張るから」
こうとりなすと
「それでね先生、隠居 (えんきょ) の敏江さんが良かったら裏の池の鯉を鯉こくにして食べさせてはと言われたんです」
緋鯉ばかり飼ってたつもりがいつのまにか野鯉が混じってしまったようで、このままでは魚影が濃くなりすぎて病気が発生するかもしれないから良かったら持って帰って食べてみないかと言われたそうなんです。
阿部先生から隠居 (えんきょ) の敏江さんもどうやら好きになられたらしいから気を付けろと言われたばかりなので返事に窮してると須恵乃さん、自分で貰い受けてくるからと言ってくれたんです。
「ああ、でも須恵乃さんは入谷村へは本来そうそう顔を出しちゃいけないんでしょ」
せっかくだからこの際自分が顔を出します。 ついては鯉こくなるものを作ってくれないかとウナギのことを話し頼むと
「うん、先生の役に立つことなら何でもやりたい」
目を輝かせてこう言われたんです。
この日を境に堤先生は女将さんや須恵乃さん相手であっても寸止めの練習というかホンバンを行いました。 放出するのと違い幾度も相手が気のすむまで繰り返せますので受けた女将さん曰く
「今度は私たちが病気になって寝込みそうだよ」
こう言われ前にも増して嬉しそうな顔をされたんです。
愛犬ペロは堤先生の姿を見ると狂ったように泣きついてきました。 敏江さんも役に立てたことで満面の笑みを浮かべ迎え入れてくれたんです。
鯉こくも真紀さんの口に合ったようで日増しに元気になってくれて公子ちゃんがいない折など娶合わせまで進めるようになったんです。
「ごめんね先生、ウチがこんな躰じゃなかったら… 腫れ上がってて気の毒で……」
泣いて詫びてくれるんですが、体調不良で寸止めの処方箋まで出され溜まり過ぎてホントはパイプが壊れそうだということは伏せておいたんです。
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