トラックドライバーへの道
何処をどう伝い歩いたのか自分でも覚えていない
気が付けば地元のスーパーめぐりのトラックドライバー
つまり、ルート営業の仕事に就いていた。
人づきあいが下手だから、運転しながら遠方周りは
どちらかといえば性に合っていたのかもしれない
ただし、わたしが担当になってからシェアは徐々に減っている。
そこらあたりは、会社の上司が時々出向いて何とか引き留めていてくれた。
反面ありがたかったのは、事務所に帰ると ドライバー連中は男ばかりだから
何かとモテた。
例えば疲れて帰ったとき、サッと目の前に缶茶を置いてくれ、横に座ってくれて
なんやかやと気持ちが盛り上がる話をしてくれるし、荷物の積み下ろしなんかも
半分は手伝ってくれる。
出勤スタイルや、普段の服装が一変して 同一人物なのかもわからないほど
おばちゃんドライバーになってしまったけど・・・。
市内は上司の睨みがきいていて、単純に荷物を持って行って店舗の指定の場所に陳列し、伝票を切ったら
それで終わりだった。
ところが山間部では配達以前に集金が主な役割になった。
売り上げがない、売った分のほとんどを家計に回してしまうようなルーズな人たちが多い
それだけ生活がせっぱつまっているんだろう。
それを集金してくる。
何度訪問しても、品物を置いてけとは口にすれど、払う気は一向にない。
売り上げが小さい分、上司もわざわざ出向いてまで来ない。
開始半年で、担当部署を変えられた。
こういえば簡単に受け持ちが変わっただけと思うかもしれないね。
地方の営業っていうと、そこの地図を覚えるだけでも大変で、
道を間違ったり、順番間違うと時間までに帰社できなくなるんだ。
約束の配達時間にも遅れてしまうことになる。シェアが変わる。
なのに、こういった場所にある店舗は、必ずと言っていいほど余分な手伝いをさせられる。
おにぎり片手にハンドル握って配達の日々が続いた。
そんなある日、あんなにちやほやしてくれていたドライバー仲間の一人から罵声を浴びせられた。
「お前なー どんだけトロイんや、迷惑掛けやがって」
担当の荷物を蹴飛ばされた。積み降ろししてくれることは既に無くなっていた。謝るしかなかった。
最初に比べ、配る店舗数や配達物の数が半減してたが、その分 走行距離は何倍にも伸びた。
配達区も東の端ばかり配らされ、ひたすら運転だけが業務になっていた。
いつの間にか、隣県他社との競合に県境付近にばかり駆り出されていた。
「女の顔で売ってこい」
これがその理由だった。
女だてらのドライバー、帰社はいつも20時を回っていた。
給料少ない分、商品の賞味期限切れを安価で給料天引きで半強制的に買わされる。
帰宅が深夜帯に近くなるんだから、それが連日食卓に並んだ。 夫婦とも酒が増えた。
元々肉派の食卓だったからよかったが、以前にもまして主婦業から遠ざかっていった。
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