賢婦であるはずの下薬研 (しもやげん) の加納家の嫁 美澪さんが味わおうとした他人の棹 知佳作
下薬研 (しもやげん) の加納家では今俄かにそんな大それたことが起こり始めました。 家長であり下薬研 (しもやげん) の長でもある莞爾さんが長年の宿敵である入谷村の中組 (なかぐん) 隠居 (えんきょ) の嫁 敏江さんに欲情し入れあげ始めたからです。
美澪さんは口にこそ出さないものの莞爾さんにぞっこんでした。 入谷村と比べ物にならないほどの辺境の地でありながら莞爾さんの子を生し家庭を守り抜いてきたのも莞爾さんにぞっこんで莞爾さんあればこそでした。
この地区随一の知恵者であり分別に長けた莞爾さんならでは下薬研 (しもやげん) をして入谷村と対抗できたのです。 その夫がまさか年上の、しかも敵地である入谷の豊満な女性が好きだったなんて・・今の今まで知らずに添い遂げて来た美澪さん。
夫がそう出るなら自分だってと彼女は下薬研 (しもやげん) が本来属するいくつもの山を越えた地区にそれ目的で遊びに出かけたそうなんですが…
生物の世界で忘れてならないこと、それは子孫を残すべく契る性行為とは他に比べようもないほど気持ち良いものであるということ。 これに尽きます。
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隠居 (えんきょ) 家の嫁 敏江さんの恋 知佳作
敏江さんには3人のお子さんがおられましたが、上薬研 (かんやげん) の金兵衛さんような育て方をしてこなかったため口答えはするものの家事を手伝うなど論外だったのです。 唯一手伝ってくれることがあるとすればそれは牛飼いでした。 でもそれだって敏江さんが朝早くから田の草刈りをして持ち帰って牛の餌用の草も下草も置いてくれるから出来るのでした。
今回はたまたま御用になり出るに出れないからひとりで家のこと全てを切り盛りしてますが、実は馬喰をやってる時であっても時さんはほとんど家に寄り付かなかったのです。
そのくせ自分がどちらかと言うと魚より肉系が好きなものだから四六時中どこやらから肉を届けてくるんです。 おまけに子牛を飼わされるものだから授乳用の親牛も飼わなくちゃならず余った乳を敏子さん、自分で処理しなければならなかったんです。 それはそれは肥えました。
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春子さんに脅され女どもは白昼の性行為に及んだ 知佳作
春子さんがここまで怒ったのは仲間であるような顔をして漢に自分たちとは違う目に合わせるよう仕向け、都合が悪くなると他にも漢を差し向けておいてその胤を孕んだに相違ないなどと誰彼無しにうそぶいたからでした。
かねてから入谷村にはびこる自分さえ良ければ他人などどうでも良いような風潮を春子さんは勿論のこと大下 (おおしも) 家の家人は嫌ってました。 里ならそんなことはないと信じてたのに更に上乗せでやられたからです。
それをそっくりそのまま里のこれまで仲間と信じて来た職場の女どもに向かってやらかしたんです。 確かに給金を得るために春子さんは熾烈な競争を潜り抜けてただでさえ職場の無い里でパートをして、つまり里の女を押しのけて働いてました。 でも孕んだことにより勤めを続けることが出来なくなりました。 もう里がどうなってもよくなったんです。
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中 (なか) の史帆さんの独壇場と化した入谷村 知佳作
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入谷村の、ひとつの時代が終わりを迎える 知佳作
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