知佳の美貌録「追放」 覗き見により発覚、解雇されたボイラーマンの後を追ってホテルを出た。
知佳の美貌録「追放」
長い夏休みが終わり、書き入れ時を過ぎ、やっと一息つけるようになって、久美は久しぶりに待たせておいたボイラーマンのもとへ、地下室へ向かった。
もう2ヶ月近く逢っていない。
支配人に代わって送迎をしてくれた時期があった。
その間ずっと、久美はボイラーマンに抱かれた。
ふたりの子供を産んだこと、家計に余裕がなくなったことでレスになっていた久美にとって久しぶりにオンナに戻れた時期だった。
それをさりげなく避けるようになったのは職場内だけじゃなく、地区からも噂が立ったからだった。
本来地下室という玄関からずっと下方に位置する場所、ボイラー室脇にに止めていた彼の車、
それを久美を乗せるため、わざわざ玄関前に移動させ乗せてくれるようになっていた。
それもこれも、対抗意識を燃やす支配人への当てつけであることは、久美もうすうす感づいていた。
感づいていたからこそ、さりげなく裏口を抜け出し、途中まで歩いて降りて、後ろから追っかけてくる彼の車を待ったりもした。
お客様でもない限り、玄関横づけで乗降するのは規則に反している。
だが、ボイラーマンとしては久美が地下に降りて車に乗り込む、その時間さえ待てなくて玄関に堂々と車を横付けし待つのが通例になっていった。
実のところ、かつて支配人が久美を見送る場合がそうで、負けてはならじとボイラーマンも同じことをやって当てつけに見せていたのだったが・・・
そうやって助手席に久美を押し込んだが最後、一直線に脇道に向かってハンドルを切るボイラーマン。
車の往来が少ない高原の道、良く知られていたボイラーマンの車の助手席に女が乗っている。付近の住民がみても明らかに妙な行動と映っただろう。
「見られてるからやめて!!」 制しても制してもやめようとしないボイラーマン。
ついに久美の方から避けなければならなくなった。
一度関係を持って、心の片隅から離れなくなった彼への想い。
逢いたい気持ちは募るばかりだったが、周囲の 田舎の環境がそれを許さなかった。
夏休みが始まる7月初旬から学生雇い入れ、それに加え経営の悪化、表面上はその対応に追われていたからだと周囲に思わせ凌いだ。
出入りする業者、特に食品と土産物の納入業者への対応は久美にしかできなくなっていたことも幸いした。
支配人がホテル内で右往左往していると、即現金を要求された。
「お願いですから昼間は顔を隠していていただけませんか?」
フロントマンからこう言われるにつけ、逃げ隠れするしかなかった支配人。
逃げ隠れするのは良いとして、唯一心に残るのは久美のこと。
素直にホテルから離れられなくなっていた。
付近の木立の中に潜んだり、地下の客室の隅に潜んだりしながら久美の動向を見張り続けた。
その、支配人に代わって久美が電話の受け答えから業者との約束の取り付けまで行った。
肝心な時になると久美は「ただのアルバイト」で通した。
支配人は実のところ、この頃になると金策に追われていたといっても言い過ぎではない。
経営者が入れ替わり、郡部の豪農以上に市内の会社経営者というのは苦労知らずで、一段と赤字経営への理解が得られなくなっていたからだった。
「お前たちふたりして会社の金を横領している」
会計事務所にこんなことを言って、この経営者は怒鳴り込んだりもした。
いづれにしてもホテルの従業員全員、経営陣に信用されていなかった。
だからこそ、久美は重要だった。
ホテル中、誰がみても支配人の代理は久美しかいなかった。
その久美が、こともあろうに臨時雇いのボイラーマンに熱を上げているという噂を耳にする。
「裏切りやがって!!」
支配人はホテルから出たふりをして久美の動向を見張っていたし、久美もそのことに感づいていてボイラーマンとのことは警戒しているつもりだった。
だが、幾日も支配的立場が変わり、実質運営を久美が担うようになると、避けねばならないという意識が薄らいでいった。
誰が送迎をしてくれるわけでもない日が続いた。
通勤は再びバスになっていたが、ホテル脇の停留所(バスのUターン場所)から皮肉なことに地下のボイラー室が良く見えた。
遠間ながら、毎日様子をうかがうことが出来た。
逆に募る気持ちを抑え切れなくなっていった。
幾日も幾日も見張り続け、久美が事務所を抜け出した後をこっそりつけていた支配人。
側から見てば一時期とはいえ久美と支配人の立場は逆転していた。
そのことが久美を油断させた。
何処に向かうにも支配人に後をつけられている。 そんなこととは知らない久美。
地下へ通じる階段をボイラーマンの彼にため、自身の抑えきれなくなった気持ちのために降りる久美。
いつもの席で、どんなに忙しくても彼は待っていてくれると信じていたし、事実そうだった。
かつては階段の下で待つボイラーマンのために、下着を着けずに降りてきてくれていた久美。
ホテル内では警戒心を怠らず、どんなに魅せられても指や舌でかわし続けたボイラーマン。
逆ナンを平然といなし続けることが常だった。
だがこの日は長い間逢えなかったことでボイラーマンこそ余裕を失っていた。
逢えなかった、すなわち支配人に久美の権利を奪われてしまっていると勝手に思い込んできたボイラーマン。
千載一遇のチャンスを見逃すほど余裕がなかった。
事務所から忍んで降りてきてくれていた久美は、この日は下着を身に着けたままだったことも一層妬ましく思えた。
魅せたくて気が変になっていた久美は彼へのサービスさえ忘れるほど焦っていた。
それはボイラーマンも同じだった。
長椅子に座るや否やボイラーマンの口撃が始まった。
「俺といるより支配人といるほうが良かったか!」
調べずにはおれなかった。
「魅せてみろ!」
長椅子に、いきなり押し倒された。
荒々しく、油まみれの作業服のままのしかかってくる。
ばたつかせる両足を担ぐようにしながら太腿の間に割り入ってきた。
唇を奪われる間もなく、アソコも奪われてしまっていた。
着衣が災いしたかもしれない。
嬲らせるだけ嬲らせ、気が治まったころ、
「待って!脱ぐから・・・」
自ら脱ごうと立ち上がった久美の下着を最初こそ脇にどかしコトを進め始めたボイラーマン。
すがるようにボイラーマンに身体を預ける久美。
その久美を片腕で支えながらボイラーマンは自身のアレをベルトを緩めジッパーを下げて抜き出した。
口撃されるまでもなかった。
事務所を抜け出そうと心に決めた時から久美は、受け入れ準備が整い過ぎて困っていた。
その処理は長椅子で終わっている。
そこから先が欲しいとふたりは想い始めていた。
察したボイラーマンはOKを得ずして初めてホテル内でパンティーの脇から、あれほど警戒し避けていた挿し込みにかかってくれていた
抱き寄せられ「立ちかなえ」で責められた。
ラブホや車内エッチで散々久美に深く挿し込んだ経験のあるボイラーマン。
が、今は状況が違ってきている。
自身のオンナだと思っていたものが支配人に再び奪い返されそうになっている。
その中が、どうなってしまってるのか知りたくて余裕を失っていた。
立ちかなえでは思ったように深く挿し込めない。
久美からOkが出ない焦りにからか、とうとう久美から下着だけ剥ぎ取り、己も全裸になって絡みなおした。
着衣のままだった久美、が、時間とともに絡み合う部分が露出してしまっていた。
スカートが完全にめくれ上がり真っ白い尻が露わになっていた。
片足を持ち上げられながら絡み合わせたことで、互いのアソコがボイラー室の姿見に映し出されるほど露わになってしまっていた。
〈 あの野郎がココを!〉
一段と高まる久美の切なげな声がボイラー室のシューッ、ゴーッという蒸気音でかき消される。
興奮が頂点に達しかかっていた。
ボイラー本体や圧力容器、雑多な配管が入り乱れる狭い空間で確かめ合いっていたことで安心しきっていた。
互いを貪り合うことに夢中になっていた時、
地下室に通じる階段の中ほどから素っ頓狂な声がこだました。
いつの間にか支配人が地下室に降りてきて、ふたりの様子を盗み見し、肝心な時に至って寝盗りされることに嫉妬を覚え大声を張り上げてしまっていたのだった。
それまでの久美の状態なら、指や舌で奉仕は与えてもらっても絡み合ってもらえることはなかった。
だから支配人は覗き見、自己処理することで抑えてきた。
何時頃からなのか、覗き見のため忍び込んできていた支配人は、
騒ぎ立てようにも、自身も弱みを握られていることもあり、どうすることもできなかったものが、
この日はついに寝盗らてしまったことで慌てふためき声が漏れ、現場を見つけたとばかりに大騒ぎしてしまっていた。
地下室の階段で、ボイラーが発するシューッという蒸気音の中 どんな大きな声を発しようが別の階に声は届かない。
だがそのことを、嫉妬に狂った支配人は考えようともしなかった。
「私が先に狙っていた久美をよくもよくも!!」
云わいでもよかったものを、勢い余ってフロントマンに つい口を滑らせた。
喜んだのは支配人とかつて深い関係を持っていた、あの下働きのおばちゃんだった。
「辞めさせてしまいなさいよ、そんな不潔なオンナ」
嫌も応もない、勝ち誇ったようなおばちゃんの叫び声がフロント脇にあるレストラン中に響き渡った。
丁度休憩時間だったこともあり、従業員のほぼすべてがレストラン内にいた。
即刻ふたり揃って支配人室に呼び出され、
ボイラーマンには不祥事を犯したことの代償としてその場で支配人の口から解雇が言い渡された。
半面、気のある久美には叱責だけで済まそうとした。
嫉妬という怒りに任せ、目の前の事実しか追えない支配人。
ボイラーマンの町議を解雇すれば、計画が進行中のホテルの新築工事は行えないことになる。
借金10億円を背負ったまま倒産することになる。
売り言葉に買い言葉、ボイラーマンは潔く解雇に応じホテルを立ち去った。
失望しかなかった。
ボイラーマンの後を追うように、久美もホテルを飛び出していた。
いつもと違い、下りのバスに乗る久美。
「とうとう辞めなんか」
バスの運転手が独り言を言った。
こんなボロホテル、早く辞めるべきだったんだよ。
返す言葉がなかった。
何処をどう修理しようにも、手の打ちようがなくなったホテル。
借金まみれという現実を受け止められないくせに、
夢のような妄言が治まらない地区の富裕層。
この事件が発生する、ほんの数か月前、
ホテルの経営者が変わっていた。
郡部の豪農から市内に別の事業を展開する男に、内情を隠して売り渡されたのだった。
新しい経営者は町がテコ入れし、ホテルを建て替えるなどということは知らない。
あぶく銭にあかし、リゾート地を安く買いたたいたつもりでいた。
実質はとっくの昔、町に権利を奪われていた。
ホテルの中でそれを知っていたのは町議のボイラーマンと久美だけだった。
円形状に建て替えられるはずの図面をボイラーマンは久美に見せてくれた。
鉄筋コンクリート製の現ホテルと違い、木造建ての、いかにも風雅な建物だった。
外観を円形状にすることで市内と湾が余すことなく眺望る。
現行のジンギスカン一点張りの料理ではなく、ありとあらゆる料理をワインを添えて出そうとまで計画されていた。
将来に夢をはせた。
それが、何も知らされていなかった支配人の、この一言によって吹っ飛んだ。
ボイラーマンと久美に、明日から暮らしていける余裕などあろうはずもなかった。
それでもいいと久美は思った。
理解してくれるものなどいない、ボイラーマンのいないホテルに残る意味など見いだせないでいた。
テーマ : 女衒の家に生まれ・・・ 高原ホテル
ジャンル : アダルト
- 2019-03-08 :
- 女衒の家系に生まれ 高原ホテル :
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