「料金どすか?そんなん心配せんでもよろしおす……」
女性はそうつぶやくとハンドルを握る私の肩をトントンと叩きました。
運転中だったこともあってほんの一瞬だけ振り返りましたが、女性は金を差し出している様子が窺えました。
私はさりげなく、
「料金は後払いで結構ですよ」
と述べると、女性はもう一度私の
肩を叩きました。
仕方なく私はクルマを道路わきに寄せて、ゆっくりと後部座席を振り返りました。
女性は1万円札を数枚差し出してきました。
「そないにゆわんと、とにかくこんだけ取っといて。足らんかったらあとで払いますよってに」
預かり金と言うことにして私は一旦受取ることにし、札を数えてみました。
驚いたことに札は5枚もありました。
あまりの金額の多さに私は戸惑いながら、
「お客さん、5万円もあるじゃないですか。多すぎますよ。仮にこのタクシーを1日貸切ってもまだお釣りがきますよ。多過ぎるのでお返しします」
私はそう伝えると、1枚だけ預かることにして残りの4枚を返そうとしました。
ところが、
「よろしおすがな。うち、さっきから、わがままばっかりゆうてるしぃ。それにまだあっちやこっち振り回すかも知れへんし」
などといい、出した金を受け取ってくれませんでした。
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