ふたりの会話中、
仲居が女性に挨拶をしようとずっと待っていたので、私は
仲居に「もうすぐお客様に入っていただくからもう少し待ってね」と伝えました。
仲居はこちらがまだ取込み中だと察したのか、一礼して一旦旅館内へ消えて行きました。
『もう少し付き合ってくれ』という女性の一言をどのように解釈すればよいのでしょうか。
(もう少しドライブを愉しみたい?)
(宝塚の街をいっしょに散歩したい?)
(それとも室内で……?)
よこしまな期待が私の心をよぎりました。
(いくらなんでも……こんな良家の人妻が今日初めて出会った見ず知らずのタクシードライバーなんかを……そんなことは天地がひっくり返ってもあり得ないよなあ・・・)
不埒な想いが一瞬よぎったものの、直ぐに自ら打ち消してしまいました。
『もう少し付き合ってくれ』という一言がどんな意味なのか今ひとつ釈然としませんでしたが、私自身の中で『この女性ともう少しいっしょに過ごしたい』と言う気持ちが生まれていたことは事実でした。
私はごくふつうに、
「結構ですよ」
と返答しました。
「やぁ、嬉しいわぁ。ほんまによろしおすんかぁ?」
「はい、私なんかでいいのなら、お付き合いさせてもらいます」
続きを読む
テーマ : 官能小説・エロノベル
ジャンル : アダルト
tag : 婚外恋愛よこしまな期待浮ついた仲居雇女