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男欲しさのあまり、美紀は初めて不倫した 同僚に見透かされ寝取られた

男欲しさのあまり、美紀は初めて不倫したグチュッ グチュッ という音に混じって、パンパンとぶつかる音がしたかと思うと、女の押し殺すような喘ぎと男の荒い息が上り框の奥の薄暗い4畳半から漏れてきはじめた。
「あっあっあっ、・・・あん、あん、あん」「はっはっ、むんむん」
音羽美紀は会社の先輩 葛城正一に組み臥され、欲情剥き出しに結婚以来初めて不倫に没頭していた。

葛城正一にしてみれば、憧れていた人妻の美紀を抱けたことで、寝取った肉感に酔いしれていた。
美紀も己の魅力で膣内に誘い込んだ、その男の勃起力に何度も逝かされ燃え上がっていた。
お互い、我慢に我慢を重ね、やっとひとつになれた快感に我を忘れ肉をぶつけ合っていた。

「むん、むむ・・ダメだ・・・」
「アッ、いい・・・凄くいいの・・もう少し・・・」
「もう・・・出る!」 少し前から脈打ち始めていた葛城正一の勃起が美紀の体内深くしぶいた。

正一は昇りきると勝手に彼女の中で果て、萎えた己を引き抜いた。
「ふっ、はっ、ふっ、う~ん頑張ったよな・・・俺」
美紀は無言で正一に背を向けた。



美紀を部屋に招き入れるまでの正一は極めて紳士的だった。
招き入れてから、美紀を抱きたくて相当焦っていたことは確かだったが、前戯に抜かりはなかった。
初めて告白した時の恋人を扱うように丁寧に唇を求め、乳房を手に入れるまで何度も躊躇ってもくれた。

服を脱がせに掛かりながら、そこここへの愛撫も、これ異常ないほどに指や唇を総動員して美紀を情事に導き、不倫に酔わせた。
覚悟を決めた以上、美紀も抗わず正一に身を任せたかったが、不義を犯して一線を 今日初めて誘われた正一に越えて捧げるには抵抗があった。
唇や手で露わにされた乳房を晒しながらも何度も手で、懸命に迫る正一を押しのけ逃げ惑った。

「あっ、ダメ。そこは・・・」
スカートがめくられ、指が陰部に忍び込んだ。 彼に誘われて初めて、美紀は正一にしがみついた。
「もう、葛城さんたら・・・」美紀は部屋に入る前からこのことを予感し、下着の中はすっかり潤んでいた。それを知られたくなかった。ふしだらな女だと思われたくなかったが正一は簡単に美紀の弱点を探し当てていた。 あとは正一の独断場だった。
指先でクリを探し当てられ弄られ始めると腰が浮いてしまっていた。挿入はすんなりと行われた。美紀は燃え、正一は念願の狙った女への体内射精を激情の興奮をもって終わらせ満足し切っていた。



「なんだよ。俺が悪かったっていうのか?」
正一は居直った。
「別に、良かったわよ。久しぶりだったし・・・」 つい本音が口を突いて出た。 男の逞しくて生暖かい塊が自慰で耐え抜いた身体に強引に割入ってくれた。終わって男が醒めた今でも、女の自分の中は男根の感触が生々しく残っており、火種が燻ぶり続けている。

音羽美紀は背を向けたまま欲情については精一杯素知らぬ顔をして応えた。
正直、正一の持続時間なんてどうでもよかった。射精した後でもいいから抱きしめてほしかったし、ウソでもいいから好きとか結婚を口にしてほしかった。
結婚以来夫が病的に繰り返す不倫を、大目に見てきたが、本当のところは愛する夫が他の女と情事を重ねる姿を思い浮かべるだけで心が病んだ。成熟した女であるがゆえに、なお欲情し、自慰を繰り返さざるをえなかった。口惜しかった。

わたしはもう女じゃなくなったのかと、自慰が終わると悲しくなった。
明日は結婚記念日にあたるので一緒に自宅でお祝いしようと朝食を食べていた夫に、それとなく水を向けてみたが、あいまいな返事だけが帰ってきた。その間もなにかとスマホを見ている夫。やりきれなかった。
どうしていいのかわからなくなった美紀は職場で隣の席の先輩に、それとなく結婚祝いにはどんなことをしてるのかと聞いたことがきっかけで、いろんな話が盛り上がり、そのうち話が逸れはじめ、なぜか不倫の話題に移っていった。

美紀にしても、てっきり隣の席の先輩、和子は家庭を持って平和に暮らしているものとばかり思っていた。話が進むうちに自身の不倫騒動で旦那に愛想をつかされ、今はひとり身だと知った。不倫の話は彼女の自慢話だった。
何もなくすもののない強みなのか、こんな話題でもおおっぴらに大声でまくしたてる。
その大らかさに救われるかもしれないと、美紀はその時は思った。

仕事そっちのけで大声でまくしたてるふたりの話に、仕事ではうだつの上がらない葛城正一がいつの間にか加わっていた。
美紀はいつの頃からか葛城正一の、自分に対する気持ちに気づいていた。
殊に、夫との夜の関係が無くなってからの美紀は、何かにつけて揺れていて男には敏感になりすぎていたのかもしれない。

葛城正一は女癖が・・・、とはいってもソープとかデリの類だが・・ついこの間は援助の学生に手をだし問題になったほどのシモにだらしない男で、最初の奥さんとは数年前に彼の(ということだった)不倫が元で別れている。
別れたといっても奥さんに夜逃げされた口だが・・・
その葛城正一がこのところ美紀を抱きたくて何かと声をかけ、身体に触ったりして来ていた。

随分前のこと、その葛城正一が偶然夫が不倫相手の女とラブホテルを出るところを目撃したんだと美紀に忠告だか吹聴だかしてくれていたことがあった。
「えっ、なんでうちの人知ってるの?」
逆に美紀の方こそ聞き返した。

「いや・・・それはその・・ ああっ、そうだ相手の女の人が美紀さんの旦那さんと同じ名前を口にしたからなんだ。そうなんだよ」
「でも、わたし会社でも人事にしか夫の名前教えてないけど?」
「あっ、そうだっけ?    いや、そうだよな。音羽って苗字は滅多に聞かない珍しい名字だから勘違いしたかもしれないな」

その時はそれで終わった。
だが、不倫という言葉が美紀の口から発せられた瞬間から、明らかに葛城正一の目つきが変わった。
仕事を手伝ってくれたり、飲み物を買ってくれたりと、やたらと世話を焼くようになった。

これに気が付いた、相談に乗ってくれた彼女から「彼と付き合ってみたら?」と提案があった。
不倫に走る男女の、燃え上がるさまが心や身体に火をつけるらしい。
「旦那とご無沙汰なんでしょう?彼、いまやりたくて、ほらっ、見てごらん!股間盛り上がってるでしょう?夜な夜な美紀のこと想像し溜まって困ってるんじゃない?気持ちいわよ。隆起した男を迎え入れるって」にやりと笑うと、尻を勢いよくパンッと叩たかれた。

不思議とその時、子宮に響いた。
妙な疼きが始まってしまった。

美紀は会社に入って暫らく経ったころから帰り道、誰かに後をつけられているような気がしてならなかった。
ひょっとしてそれが葛城正一だったかもしれないと思ったが、今になって思えばそれでも良かった。
夫がそうなら、わたしだって楽しんで何が悪いのと咄嗟に、男と寝てやろうと思った。わたしを思って夜な夜な隆起させている男根を受け入れてみるのも、不倫の先輩格の和子が言うように気持ちいいかもしれない。久しぶりにふわふわと飛べるかもしれないと思った。

「わたしって、そんなに悩んでるように見えた?」
「うん、なんとかしてあげたいっていつも思ってたんだよ」
取ってつけたように愛情表現してくる葛城正一が理解できなかったが、心地よくもあった。
「じゃ、ちゃんと相談に乗ってくれる?」

「えっ、ああ・・・そうだな。俺で良かったらいつでも乗るよ」
「そう、よかった。誰かに聞いてほしかったんだ」
「そうだったのか」

「喫茶店とか、他の人に聞かれたくないんだ。どこかふたりだけで話せる場所無い?」
「ならウチに来ない?俺今独り暮らしなんだ。誰も邪魔する奴いないから」
そ~らきたと美紀は身構えた。噂に聞く、葛城正一の女たらしいの手腕とはこんなやり方だったのかと、これから先のコトに期待もした。

夫が散々繰り返してきた不倫を、妻としてではなくひとりの夫に恋心を寄せる女として空想し、妬けて自慰にふけったことがある。男の手練手管は空想のままだった。
葛城正一は自分の住むアパートに美紀を引き込むやいなや玄関口でいきなり抱きついてきてキスをしようとした。
会社の、誰も来ない屋上に美紀を就業時間に呼び寄せ抱きついてきたときと同じ手口だった。
美紀は、出来る限り男の不倫に誘うやり方を楽しみたかったから、やんわりと躱しながらその場をしのぎ、通されるまま部屋に上がった。

玄関を入って垣間見える4畳半2間だけの閑散としたアパートの、奥の部屋には万年床が敷いてあった。
そこに美紀は時に恋人のように、またあるときには娼婦のように扱われ押し倒され、荒々しく服を脱がされていった。
葛城正一は執拗に美紀の臭いを嗅ぎ全身に唇を這わせ、憧れの他人の妻を寝取る興奮に浸って、ありとあらゆる場所をめがけて舌を割入らせた。久しぶりに男を受け入れることになった美紀は、不義を働いているという後ろめたさが快感を呼び覚ましふわふわと宙を舞うほどに酔いしれ、追い込まれはじめていた。

そうしておいて自分だけの性欲処理に葛城正一は没頭した。
美紀の中に欲望を放出すると、自分の股間をサッサと拭き、横になって煙草をふかし始めた。
制圧した美紀が、もう何でも言うことを聞くと勝手に思い込んでいるふしもあった。

だが美紀は、この時別のことを考えていた。
美紀は夫とふたまわり歳が離れていた。
結婚するとき、優良企業の、それも優秀な戦士だと思って踏み切ったが、夫は美紀と結婚する前にも妻がおり、美紀と付き合い始めたことを知って妻の方から別れていた。

美紀が生まれて初めて不倫した葛城正一にしても夫とさして歳が違わなかった。
いつも、なぜだか自分の父親ほど歳の離れた男に恋をする。
不倫相手と欲情の赴くままに身体を貪りあって、いざ醒めてみると惨めさだけが残った。

「わたし実は精神科に通ってるの。今は薬と先生が話を聞いてくださっていることで安定してるけど、いつ再発するかと思うと・・・」
美紀は、今しがた抱いてくれた葛城正一に向かって内心を打ち明けた。
「そう、知らなかった」

「気が変になってもわたしを今みたいに抱いてくれる?」
「・・・うん・・・まぁね」
応えとは裏腹に葛城正一はうつろな目を天井に向け、やがて枕元から煙草を取り出して吸い始めていた。

それだけでわかった。
もしかしたら愛を告白され、夫からわたしを奪ってくれるかもしれないと期待していただけにガッカリした。
これはと思った女を、ただ単に抱きたかっただけだった。


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