ありさ 割れしのぶ 第六章 籠の鳥 Shyrock作
それから2日後、その日は風もなくとても蒸し暑い日だった。 ありさは三味線の稽古を済ませ、手ぬぐいで額の汗を押さえながら、屋形“織田錦”に戻って来た。 「ただいまどすぅ~」 いつもならば、女将か他の者から「お帰り~」の言葉が飛んでくるのに、今日に限ってやけに静かだ。 ありさは訝しく思いながら下駄を脱ごうとすると、暖簾を潜って女将が現れた。 どうも様子が変だ。 女将が目を吊り上げてありさを睨んでいるではないか。 「ありさはん!早よあがってそこにお掛けやすな!」 「はぁ・・・」 ありさは脱いだ下駄を並べ終えると、玄関を上がって板の間に正座した。 「ありさはん、あんさん、あたしを舐めてるんちゃいますんか!?」 「ええ!?そんなことおへん!お母はんを舐めてるやなんて、そんなこと絶対あらしまへん!」 「ほな、聞きますけどなぁ、あんさんの旦那はんてどなたどす?」 「はぁ、あのぅ・・・丸岩の会長はんどす・・・」 「そうどすな?丸岩の会長はんどすわな?ほなら、もひとつ聞くけど、あんさん、学生はんと付合うてるんちゃいますんか?」 ありさは女将から学生と言う言葉を聞いた瞬間、身体中から血が引くような思いがした。
テーマ : 官能小説・エロノベル
ジャンル : アダルト
三つ巴の争奪戦 知佳作
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