大きく三つの集落に別れていた入谷村は地権を争っていたこともあり地区を通り越して交流を自ら進んで行おうとする人はほぼいませんでした。
あの原釜 (はらがま) の寛治さんでさえ下組 (しもぐん) にまでわざわざ出かけ
締め込み以外 つまり男同士の交流を持とうとはしなかったんです。 一言で言えば各々の集落内においてもまとまってるとは必ずしもいえず、ましてや隣の集落と意思疎通など有り得なかったのです。 現代社会から見れば狭い了見なんですが、もしも万が一相手方に難癖をつけられたら押し寄せる波から一家を守り切れる自信がなかったからです。
そんな中において唯一自由奔放によそ様の家にずかずかと上がり込む人がいました。 それが隠居 (えんきょ) の長嶋時雄さんだったのです。
そう、彼が他家にずかずかと土足で入り込む理由と言おうか目的は牛です。 自分勝手に牛小屋に入り、競りに出せそうな牛を見つけると勝手に持ち帰るのです。 なぜならば隠居 (えんきょ) は生計の殆んどを馬喰 (ばくろう) に頼っていて田畑仕事は時雄さんではなく高齢の亀次郎さんが担っていたからです。
これを総じて入谷村の人々は彼のことを顔が広いと言いましたが、左官屋の幸次さんに言わせればただ単に仁王のような顔つきが恐ろしかっただけ、恐れ慄いただけのようでした。
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