ありさ 割れしのぶ 第四章 再会 Shyrock作
その後も丸岩は週に一度ぐらい、ありさを座敷に呼び夜を共にした。 逆らってもどうしようもないさだめなら、いっそ従順に努めてみようと、ありさは決心したのだった。 だが、そんな矢先、ひとつの出来事が起こった。 ありさは女将の使いで、四条烏丸の知人の屋敷へ届け物をした帰りのことだった。 届け物も無事に済ませたことを安堵し、小間物屋の店頭に飾ってあった貝紅を眺めていた。 「やぁ、きれいやわぁ~・・・」 ありさは色とりどりの貝紅に目を爛々と輝かせていた。 その時、何処ともなくありさを呼ぶ声が聞こえて来た。 「ありささん」 若い男性の声である。 (だれやろか・・・?) ありさが声のする方を振り向くと、そこには少し前におこぼの鼻緒をなおしてくれた学生本村俊介の姿があった。 「あれぇ~、お宅はんは、あの時の~。その節は鼻緒をなおしてくれはってありがとさんどしたなぁ~」 「いいえ、とんでもないです」 「あのぅ・・・」 「はい、何か?」 「今、確か『ありさ』ゆ~て呼んでくれはりましたなぁ~?」 「ええ、そうですが。違ってましたか?」 「いいえ、そやおへんのや~、おおてたよってに嬉しかったどすぅ~。よう憶えてくれたはったなぁ~思て。
テーマ : 官能小説・エロノベル
ジャンル : アダルト
ご主人への反発 知佳作
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