長編官能小説 『クロス・ラヴ』 第19話 Shyrock作
嗚咽に近い喘ぎ声が浴室に響き渡った時、ついに球はのぼりつめてしまった。
球が達したことを知った浩一もまた球の中で肉棒を激しく硬直させ痙攣とともに果ててしまった。
ありさと球それぞれのカップルは仲良く揃ってチェックインしたが、当然ながらチェックアウト時はめいめいに退出した。
外気はかなり冷え込んでいたが、球たちは腕を組み、ありさたちは手を繋ぎ、それぞれが道玄坂を下り渋谷駅へと向かっていった。
◇
いよいよ出発の大晦日を明日に控え、ありさと球は旅行の準備に余念がなかった。
女性の場合、旅行の準備は男性よりも時間が掛かってしまうことが多い。
衣装選びに頭を悩ませ、化粧道具等のアイテムにも入念なチェックを行なう。
特に下着選びともなると、彼女たちは真剣なまなざしで持参するものをチョイスする。
ありさと球は偶然にも時を同じくして下着の選択を行なっていた。
ありさ「にゃんにゃん~、オンゴサマー♪この下着って本当にいい感触だにゃあ~。俊介はこの下着をどんな風に触れてくるんだろうなあ?うっふ~ん、ワクワクしちゃう~」
ありさはガーゼ状の下着オンゴサマーを両手で掲げ嬉しそうに広げてみた。
ありさ「あんなことやこんなこと、いっぱいされるのかなあ?・・・やんやんやん~!」
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悲壮感漂う姦通 知佳作
入谷村内はともかく、そこから山をいくつも越えた先にある野田原 (のうだはら) などこのままの状態が続けば間違いなく孤独死しなければならないような状況でした。
どう見ても義道さんの出稼ぎはうまくいってるようには見受けられません。
生計が嫁いで来たあの頃珠子さんに夢を語ってくれた時のように立ち行かないからです。
義道さんはもうとっくに体力を使い果たし、残るは気力のみとなっていました。 だから余計に心配でした。
確かに誰をもうらやむ美形の妻を山深い自宅に残し里に出稼ぎに出るなどということはよほどのことでもない限りできません。 心配事というのが寝取られです。 入谷村の悪しき噂はよく見聞きしてるからでした。
それでも出かけねばならなかったのは妻との間に出来た子供たちを立派に世に送り出すためでした。 この時代、財布は大方の世帯では当主が握っています。 主要産業がないだけに先祖代々受け継いだものを切り売りと、まるで博奕のようなやり方で生計を維持していたからです。
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