長編官能小説 『クロス・ラヴ』 第46話 (最終話) Shyrock作
だからと言って4人の間に新たな恋が芽生えた訳ではない。
だけど今までの友達感覚とは少し違う気がする。
強いていうならば『友達以上・恋人未満』とでもいうのだろうか。
それでもありさと球にそして俊介と浩一に不安はなかった。
彼らには今まで培って来た厚い信頼感があった。
もちろん将来にわたっても絶対壊れないとは断言できないだろうが、少なくとも現時点でその信頼関係は揺るぎないものであった。
とりわけ今回の小旅行後、ありさと俊介、そして球と浩一それぞれの愛情が一層深まったといってよかった。
昔からぜんざいを煮る時に少々の塩を加えることが美味さの秘訣といわれている。甘いものに塩を入れる。一見無茶なように思われるが決してそうではない。微量の塩を加えることによって、その塩が一種のスパイスのような役目を果たし、一層うまみを引き立てることができるのだ。
つまり今回のクロスラヴは、ありさにとって浩一が、浩一にとってありさが、球にとって俊介が、俊介にとって球が、それぞれが『塩』的役割を果たしたわけである。
もし彼らの行動が世間に知れたら、不道徳な行為だと白い目で見られることもあるだろうが、4人は臆することはなく自分たちを信じていた。
テーマ : 官能小説・エロノベル
ジャンル : アダルト
藪の中で織りなされる人間模様 知佳作

「ふふふ、あのセンコーにこの格好を見せてやりたいもんだ」
わざわざ脇道に反れ藪の中に分け入って乱交まがいのことをやる気など当初はなかった真紀さんでしたが、娘の担任教師とたった一度間違いを起こしただけで何処かに眠っていたであろうおぞましい血が暴れ出したのです。
「須恵乃のやつもあきれ顔で見てやがる、こいつは大したタマだぜ」
「へへへ、まったくだ。 儂なんか散々抜かれてもう空気も出やしない」
気持ちを上手く伝えられなかったことで荒れ、願っても願っても逢えなかったことで荒れ、居てもたってもいられなくなって恥を忍んで学校まで出かけ、それでも逢えなかったことで決定的に荒れ狂い、丁度その時言いよってくれた漢どもと妙な関係を結んでしまったのです。
「儂が下薬研 (しもやげん) に忍び込んだ折、夜も明けやらぬのにノコノコ何処かへ出ていきやがった」
「ということは、その頃にはもうこうなってたってことか」
「うむ、どうやらそうらしい」
須恵乃さんを押さえ込んでた連中まで加わってようやく天国まで送り届けることが出来たと見え真紀さん、藪の中でおとなしくなったのです。
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